指定の在り方検討を要望 A型事業所の大規模閉鎖受け(セルプ協)
障害者の就労継続支援A型事業所の大規模な閉鎖と解雇があった問題を受け、全国社会就労センター協議会(セルプ協、会長=叶義文社会福祉法人キリスト者奉仕会理事長)は9月13日、厚生労働省に事業所指定の在り方を検討することなどを提起する要望書を提出した。 共同通信が全都道府県、政令指定都市、中核市から回答を得た調査で、3~7月に329のA型事業所が閉鎖し、約5000人の障害者が解雇や退職となったことが分かった。 4月の障害福祉報酬改定で利用者の「生産活動」の比重を大きくする見直しがあり、対応できない事業所の経営が難しくなったことが影響しているとの見方もあるが、セルプ協は、そもそも事業所指定の在り方に課題があると指摘。現状では必要書類がそろっていれば指定を出す自治体もあるため、「障害者支援」と「収益確保」が両立できるかなどを判断する必要があり、指定には一定のハードルを設けるべきだとした。 また、厚労省によると、2023年3月時点で生産活動による収支から利用者の賃金を支払うという指定基準を満たしていない事業所が半数に上る。満たさない場合は、経営改善計画書を提出して取り組むことになっているが、状況は改善していない。そのためセルプ協は、計画書の提出だけでなく、個々の事業所の経営を支援する仕組みを検討する必要があるとした。