ADHD理解不足が招く二次障害の危険性。「ADHDの子はいじめられやすい」データも…【自尊感情を測るチェックリスト付】
自尊感情を高めることが大切
ADHDから二次障害を引き起こすと、本人の“生きづらさ”はますます強くなってしまいます。二次障害の予防・改善には、周囲の理解が不可欠。得意なことをほめられることで、自尊感情が高まります。 ADHDの子どもは、定型発達の子どもと比べ、いじめや仲間外れの対象になりやすいというデータがあります。周囲の子どもにADHDへの理解をうながすのは難しいかもしれませんが、重要なのは本人の自信。「自分には○○がある」と自信をもてるものがあれば、自尊感情は高まります。そのためには成功体験が必要です。 親や先生はどうしても“できないこと”に目が向きがちですが、「手先が器用」「計算が速い」など、本人が得意なことを見つけてあげましょう。また、小さなことでもできたことを認め、積極的にほめてあげてください。 ■特性のためにいじめられやすい 表はアメリカのデータです。ADHDをはじめとする発達障害の子どもたちは、定型発達の子どもに比べて、明らかにいじめや仲間外れの対象になりやすいことがわかります。
ローゼンバーグの自尊感情尺度
以下の10の質問に対し、1点から4点までの4段階で点数をつけてみましょう。合計点が高いほど自尊感情が高いことになります(日本人の平均は28点くらい)。 ※こちらの自尊感情尺度は成人用。 幼い子どもには、子ども用の尺度が用いられます。
榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)