【毎日書評】徹底的にパクっていいし、「みんなのもの」だと考えると…いいアイデアは生まれる!
生きていく過程においてはさまざまな「問い」が立ちはだかるため、それらについて「答え」を導き出していく必要があります。しかし、学生時代のテストならともかく、社会に出てから突きつけられるのは「正解のない問い」ばかりではないでしょうか? 『東大教養学部が教える 考える力の鍛え方』(宮澤正憲著、SB新書)の著者も、「99%の仕事は『正解のない問い』にみんなで挑むことによって解決していくもの」だと述べています。 仕事の現場は、「正解のない問い」にあふれているのです。 しかも、「1人で成立する仕事」が極めて少ないのが実情です。 新規プロジェクトを成功に導くためには、企画、開発、流通、営業、宣伝などさまざまな立場の人間が力を合わせる必要があります。相性のよい人ばかりではありません。苦手な人ともうまくやっていかなければなりません。 つまり、仕事とは、「『正解のない問い』に『共に挑む』」ことが常に求められているのです。(5~6ページより) たしかにそのとおりですが、いろいろな意味において他者が自分とは異なる存在である以上、それは難しいことのようにも思えます。しかし著者によれば、「正解のない問い」であっても、基本フレームさえ使いこなせればクリアできるのだとか。したがって本書では、「新しいものを生み出す考え方のフレーム」が提示されているわけです。 「いいアイデア」を考えるのが苦手な人は、ただ単に「考える」ツールやプロセスを知らないだけです。「考える力」を学ぶことで、誰でもアイデアは出せるようになります。だからこそ、大きな可能性があります。コツをつかむことで、自分でも思いもよらなかった「面白いアイデア」を思いつき、世界を変える発想ができるかもしれないからです。(12ページより) こうした考え方に基づく本書のなかから、きょうは「マインドセット 『考えない頭』をリセット──固い頭をアイデア脳に変える」に注目してみたいと思います。