「セリエAでGKの活躍は画期的」パルマで奮闘の鈴木彩艶に見る日本サッカーの歴史と未来
連載第12回 サッカー観戦7000試合超! 後藤健生の「来た、観た、蹴った」 なんと現場観戦7000試合を超えるサッカージャーナリストの後藤健生氏が、豊富な取材経験からサッカーの歴史、文化、エピソードを綴ります。今回はイタリア・セリエAパルマのGK鈴木彩艶に注目。欧州トップクラスでGKが活躍する意味を、日本人の欧州サッカー挑戦の歴史とともに記します。 【画像】サッカー日本代表 2026年のメンバーはこうなる! 識者が予想したフォーメーション 【ミラン相手に安定感のあるプレー】 イタリアのパルマに所属する日本代表GKの鈴木彩艶が、セリエA第2節のミラン戦にフル出場してチームの勝利に貢献した。昨年夏に浦和レッズからシント=トロイデン(ベルギー)に移籍した鈴木は、わずか1年でさらにステップアップし、開幕戦からパルマのGKを任されているのだ。 ミラン戦では試合開始2分に、ルーマニア代表のデニス・マンが2試合連続となるゴールを決めてパルマが先制する。そして、その後もパルマがゲームを支配。ミランは前線にボールを差し込もうとするが、パルマ守備陣はコースを塞いでチャンスを作らせず、GKの鈴木にはほとんど見せ場がない状態だった。 ただ、パルマは前半のうちに4度ほど決定機を作ったものの追加点が決まらず、案の定、後半は1点を追うミランが猛攻を仕掛けてきた。 47分にはタイアニ・ラインデルスのミドルシュートがパルマゴールのクロスバーを直撃。49分にはクリスチャン・プリシッチがボレーで狙うが、これは鈴木がセーブ。その後も鈴木は反応のよさを見せて、至近距離からのシュートをはじくなど安定した守備を見せた。 しかし、66分にはミランが同点ゴールを決める。テオ・エルナンデスとラファエル・レオンのコンビネーションで左サイドを崩し、最後はレオンのクロスをフリーのプリシッチが決めた。GKとしてはどうしようもない失点だった。 それでもその後、パルマが2点目を決めて勝利。ミランの拙攻が目立ったとはいえ、90分を通じて鈴木のプレーは安定感があった。