乾物・乾麺市場発展へ 各社が取り組み紹介 日本アクセス「AK研」
アクセス乾物乾麺市場開発研究会(AK研)の第5回総会が5月9日に開催され、会員企業が全国から参加した。 「日本伝統の美味しさを、まもる、つなぐ、つくる」を理念に掲げ、日本アクセスが19年に設立した同会。同社の卸機能と全国のメーカーや生産者とのつながりを生かし、乾物・乾麺市場の発展を目指している。 日本アクセスの服部真也社長は「食を取り巻く環境は、大きな変化の入り口にある。主力ターゲットである50歳以上の消費者とともに、小売・メーカーにとっては若年層への取り組みも大きな課題。これら二つの重要なターゲット層にどう食い込むかが、AK研にとっても重要ポイントだ」として、乾物・乾麺市場の拡大へ環境変化に即した対応の必要性を強調した。 会長を務める同社執行役員の淵之上明生氏によれば、会員160社を合わせた23年度販売実績は前年比108.3%と続伸。約3%増となった市場を上回った。 デリカ・外食流通研究会、マーケティング研究会、次世代ビジネス研究会などの各部会が、小売や外食業界に向けた提案の採用で大きな実績を作った。 淵之上氏は「今後も皆さまの課題に向き合い、業界のプラットフォームとして拡大させたい。皆さまと日本アクセスが良きパートナーとなり、WIN-WINの関係構築を行うことをお約束する」と述べた。 会員企業からは、取組事例を報告。茶そばを主力とする乾麺メーカー・池島フーズ(静岡県)の池島滋社長は「食品は安心・安全が大前提。製造者として絶対に譲れない点として肝に銘じ、おいしいモノづくりを進めたい」と表明。 同社からは、日本アクセスが主催する乾麺グランプリを通じた消費者へのアプローチ、そば通として知られるDEEN池森秀一さんとのコラボによる商品開発などの取り組み紹介が行われた。 ごま製品を展開するマコトの取締役営業本部長・高橋光二氏は、ごまの世界需給の動向を解説。政情不安定な地域での生産が多いことから、苦労も多いという。またJAいるま野とのコラボによる、埼玉県産「金いりごま」生産の取り組みも紹介された。 日本アクセス商品開発部長の荒井敏氏は、同社の製造卸機能について説明。オリジナルブランド「Delcy」から今春発売した冷凍弁当や冷凍生パスタ、冷凍ケーキなどのチャレンジ商品を紹介したうえで「卸で完結できないことをコーディネートして新しい市場を目指す。ある力を全部使ってみなさんとともに成長したい」と呼びかけた。 締めくくりに、AK研の副会長を務める兵庫県手延素麺協同組合の井上猛理事長があいさつ。 「節約志向が続くなかでも、コロナ初期に家庭で食卓を囲む機会が増えた人の8割では、現在も家庭内を続けているというデータもある」として、乾物・乾麺の効果的な訴求の重要性をアピール。そのうえで井上氏は、「日本アクセスとともに、伝統の美味しさをまもり、つなぎ、つくり続けていきたい」と訴えた。