智弁和歌山の辻旭陽選手（１年）＝和歌山市の智弁和歌山高校で、大塚愛恵撮影

　◇負けん気、前面に押し出す　辻旭陽選手（１年） 　「１球目、１スイング目を大切にしている」と高い意識を持つのは、試合は一発勝負との思いからだ。 　そんな信念のもと、打撃の勝負強さには自信がある。「点差があっても諦めないし、点差のない緊迫した展開ならば、逆に普段以上の力が出せる」と負けん気の強さを前面に押し出している。 　打撃を生かすべく、「どうしても試合に出たい」と自ら希望し、一塁手になった。一つ一つアウトを重ねられる確実な守備を目指し、練習の数をこなす。投手や外野手を務めていたことから、投げる際の腕の振りが大きくなりやすいことを自覚しており、修正を図っている。 　「レベルの高い投手から打てた時と、チームでつないで勝てた時」に一番の喜びを感じるという。つながる打線の一翼を担うべく、「チームに必要とされる存在になる」と意気込む。 　◇低めの変化球、見極め課題　花田悠月選手（１年） 　グラブには「落球厳禁」との文字が刺しゅうされている。試合中、緊張を和らげようと「目に入ったら、少し肩の力が抜けるものがいい」と、自分で考えた言葉だ。 　自身初の大舞台となった昨秋の近畿大会では、練習時より緊張してしまったという。それでも、準決勝・報徳学園戦で安打を放った。「今後はさらに相手のレベルも上がる。低めの変化球の見極めが課題」と更なる向上を誓っている。 　「今は下級生。気負う必要もない」と、思い切りの良さを前面に押し出したいと考える。打撃では初球から振り、守備でも、前のめりな心構えで三塁手を務める。 　活躍に向け、「『練習でここまでやったんだから、試合でミスしても仕方ない』と思えるくらい準備したい」と言う。努力に裏付けられた臆さぬ姿勢で春に挑む。