強制動員の被害者と遺族、破産した戦犯企業を相手取った損害賠償訴訟で勝訴
日帝強占期に強制動員された被害者とその遺族たちが、戦争犯罪企業の北海道炭礦汽船を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で勝訴した。 光州(クァンジュ)地方裁判所第14民事部(ナ・ギョン裁判長)は29日、日本による強制動員の被害者のチョ・ドンソンさん(99)とその他の13人の被害者の遺族に対して1200万~5000万ウォン(約130万~545万円)の賠償金を支払うよう北海道炭礦汽船に命ずる判決を下した。 北海道炭礦汽船は北海道で夕張、平和、幌内、空知、天塩などの複数の炭鉱を経営し、3万3000人あまりの朝鮮人を強制動員した戦犯企業だ。 原告被害者のうち5人は崩落事故などで現地で死亡し、残りの被害者も呼吸器疾患、関節疾患に生涯悩まされた。 全羅南道麗川(ヨチョン)で農業を営んでいた故キム・ヨンイルさん(1898~1943)は、44歳だった1942年12月に4人の子どもを故郷に残して夕張鉱業所に強制徴用され、翌年7月に死亡した。死亡理由は分かっておらず、崩落事故と推定される。パク・キチュさんも1943年4月に夕張鉱業所で崩落事故で命を落とした。 イ・ナムグォンさんは、1942年1月から1943年9月まで北海道の万字炭鉱で働かされ、目を負傷して視力を失うなど、日本から帰還した被害者も苦しみの中で生涯を送った。 ただ、北海道炭礦汽船は石炭産業の衰退で1995年に会社更生法の適用を申請して事実上倒産しており、2005年に会社更生手続きが完了しているものの、企業名のみが名目上残っているに過ぎないため、原告が補償を受けるには困難が伴うとみられる。 強制動員市民の会のイ・グゴン代表は、「原告は補償というより強制動員の被害を認めさせ、司法的記録を歴史に残すために訴訟を起こした」として、「強制動員被害者の切なる心情を韓国政府には読み取ってほしい」と話した。 キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )