男性には特に褒めちぎられる”怖い人”…本性を調べる人が聞いた「評判」
いい人なのか悪魔なのか、変幻自在に顔を変える…
「ほのぼのと始まるのに違和感がだんだん大きくなり恐怖に。絵柄とのギャップに恐ろしさ倍増。ページをめくる手が止まらない」 「ホラー映画の殺人鬼などとは違って、身近にいてもおかしくない人物造形がおぞましさを高める」 「天使にも悪魔にも変幻自在に顔を変える姿に思わず脂汗をかく」……。 【漫画を読む】「ああいう奴がプロになれる」毒舌の先生がルミンを絶賛するワケ これは小説『怖いトモダチ』(岡部えつ著/KADOKAWA)とそれを漫画化した『怖いトモダチ』(岡部えつ 原作・やまもとりえ 漫画 / KADOKAWA)の読者のSNS評の一部である。 小説は今年2月刊行、TBS『王様のブランチ』などでも話題になり、2ヵ月後の4月にコミックエッセイ版が出版された。 物語は「いい人」なのか、「悪魔」なのか、証言者の立場によって評価が大きく分かれる、ある人物について描く。 人気エッセイスト・中井ルミンが主宰するオンラインサロンには、彼女のファンたちが集う。子どもの学校の悩み、親族との不和、ルミンはひとりひとりの悩みに寄り添い、温かくアドバイスを与える。美しく聡明なルミンには熱烈な信者も多い。 だが華やかなルミンの足取りを追うかのように、過去を調べ直している”誰か”がいる。
ルミンのブログと食い違う「同級生の話」
誰がルミンの過去を聞き回っているのかはわからない。 だが「いつでも誰でもウェルカム」のはずのサロンを追い出された元メンバーの大石キラリのところに届いたメールには、「あなたに聞きたいことがあるのです。中井ルミンのことで」とある。 大石キラリは、ルミンのストーカーになって、辞めさせられたと言う話だったが、キラリの言い分はそれとは違うものだった。 キラリは大ファンだったルミンに頼まれて、自身の仕事について話したつもりが、その後徹底的に無視され非難され、最後は「キラリがルミンのブログから文章を剽窃している」という理由でサロンを追い出されたという。 またルミンのブログに綴った中学時代の同級生 沙世ちゃんのいじめ事件も、「誰か」は調べ直す。 酪農家の娘の沙世ちゃんは同級生からの「牛の糞臭い」の一言をきっかけにからかわれ、不登校になる。ルミンは同級生たちを戒め、発案して書いた手紙によって、沙世ちゃんは学校に来られるようになったと書いている。 だが、「牛の糞臭い」と口にした同級生は、ルミンにけしかけられたと思っている。しかも沙世ちゃんは学校に来ることなく、ルミンが手紙を渡しに行った翌日、自殺未遂を起こしていたのだった。