日銀・黒田総裁会見12月20日(全文1)景気は緩やかに拡大
市場と日銀の認識にギャップがあるのではないか
時事通信:時事通信社の【カワナカ 00:16:38】です。よろしくお願いします。今のところと重なってくるんですけれども、世界経済の見通しですね。先ほど総裁おっしゃられたように、金融市場がこの秋は非常に、今日も【ナ**** 00:16:49】下がったと、不安定化していますと。それは債券市場にも現れていると。中国、ヨーロッパの経済の減速が明確化してきてると。こういった懸念がやはり市場で非常に強いように感じるんですけれども、この市場の認識と日銀の認識のギャップがあるのではないかという声も出ています。例えばこの辺について総裁はどうお考えなのかということと、今日の会合でその辺りどういうようなお話があったのか。世界経済が【ナニカ**00:17:18】 黒田:会議での議論についてはいつものとおり、ルールに従って開示していくことになっていますので、私から詳細申し上げることはできませんけれども、まず中国経済についてはそもそも長期的な成長率の趨勢的な低下の動向にあることはみんな認めてるわけですね。 そうした上でも今年6.5%程度の成長をするというのは中国政府が言ってるだけじゃなくて国際機関もみんな認めてますし、来年の6%台前半の成長をするだろうということは、これまた中国政府だけでなくて国際機関も認めてますので、その中には当然、現在、中国政府が行っている政策的な内部のてこ入れっていうのを行ってるわけですから、そういうものの効果もあるということで、今年、来年の中国経済について今、いわれている、国際機関等が言ってる中心的な見通しはそんなに悲観的なものではなくて、緩やかな、ずっと趨勢的に続いてる減速の下で何か大きく景気後退するっていうようなことは予想されてないと思います。それから中国自体、十分な政策余地がありますので、対応していくのではないかと思います。 それから、欧州経済は、いくつかの一時的な要素もありまして、ご承知のようにですね。自動車の環境基準のうんぬん強化とか、そういうのがあって影響がありますけれども、減速してることは事実なんですけれども、それでもまだ欧州経済の潜在成長率を上回る成長は続いているわけですね。ですから、ECBもああいうステートメントを出してるわけでして。 われわれの認識が何か非常にマーケットの世界経済の認識と非常に離れているというふうには思っていないですね。ただ、マーケットはマーケットですから、なんとも申し上げられませんけれども、おっしゃったようにこのところの動きは、米国初で株が落ちると世界の株が落ちると。あるいはそれで米国初で長期金利が下がると、また世界の長期金利が下がるという傾向は若干あることは事実なんですけれども。他方で為替が比較的安定してるっていうことから見ると、それほど世界経済、アメリカ、日本、欧州、あるいは新興国との間で何か大きな変化が起こっているというふうには、市場も見てないのではないかと思うので。ただ、先ほど申し上げたように、金融市場は金融市場ですから、その動きには引き続き注意していきたいと思っております。はい、どうぞ。