本来は３年生MF阿部が背負うはずだった背番号を継承

ボランチで先発した六﨑。１年生ながら堂々とプレーし、チームの勝利に貢献した。写真：金子拓弥（サッカーダイジェスト写真部）

［高校選手権・２回戦］明秀日立（茨城）２－０ 近代和歌山（和歌山）／12月31日／ニッパツ三ツ沢球技場 【画像】管野一葵の強烈ヘッド＆１年・六崎蓮太の豪快ミドル弾で明秀日立が３回戦へ！｜選手権２回戦 明秀日立 ２－０ 近大和歌山 　見事なミドルシュートだった。 　12月31日に開催された第103回全国高校サッカー選手権の２回戦で、茨城県代表の明秀日立が和歌山県代表の近大和歌山と対戦し、２－０で勝利。この一戦で63分に豪快な一撃を叩き込み、明秀日立の３回戦進出に大きく貢献したのが、１年生ボランチの六﨑蓮太だ。 　六﨑はペナルティアークよりも数メートル手前で、左サイドの尾上陸（３年）からパスを受けると、ワントラップして迷わず右足を振り抜く。力の乗ったボールはゴール左上に突き刺さった。「ミドルシュートはあまり得意じゃない」と話す７番は、どんな想いでシュートしたのか。 「１回（ゴールを決めたシーンよりも前に）同じようなシーンがあって、その時はパスをしてしまったので、次にこのシーンがあったら絶対に足を振って、点を決めてやろうって打ちました」 　本来、明秀日立の７番は３年生MFの阿部巧実が背負うはずだったが、怪我で離脱。萬場努監督はその阿部と話をして、六﨑に７番を託すことを決めたという。六﨑も阿部への想いを口にする。 「自分も夏は応援席で（試合を）観ていたんですけど、阿部さんのプレーを尊敬していて、この人みたいになりたいって想いがあった。今大会は自分が阿部さんの想いも背負って、１戦１戦勝って、阿部さんに優勝を届けたい」 　六﨑は阿部のどんなプレーを参考にしているのか。 「攻撃への関り方は阿部さんのプレーを見て学んだところです。自分は後ろ気味のボランチで、あまり前に関わることが少ないので、阿部さんの一つひとつのパスとか、相手を騙すプレーが上手いなって思っていたので、そういったところを学んでいます」 　試合後に阿部から「ナイスプレー」という言葉をかけてもらったという六﨑は、「嬉しいです」と笑顔を見せたが、自己評価は低めだ。 「もっとパスをもらう時のポジショニングだったり、セカンドボール（への反応）は前半は良かったんですけど、体力がなくなって疲れてきた時に取り切れなかったシーンも増えたので、そこはもう一回見つめ直して次戦に繋げたいです」 　チームの目標はもちろん「日本一」だ。それに向けて六﨑は「１戦必勝で頑張っていきたいです」と意気込んだ。 取材・文●金子徹（サッカーダイジェスト編集部）