【大掃除】その小型家電、捨てるの待って!安易に不燃ゴミにするのはNG、貴重な“都市鉱山”かも
大掃除をすると、捨てるのに困る古いスマホなどの小型家電に毎年のように出くわす人もいるだろう。処分するにもいろいろと決まりがあり、面倒に思って見て見ぬふりをしてしまいがちだ。だが、実はその小型家電は資源の乏しい日本にとって貴重な存在かもしれない。大掃除をする前に、小型家電の処分の仕方をおさらいしておこう。 【図】“あの紙”はリサイクルNG!わずか1枚の混入で古紙100トンの損失も (杉原健治:フリーライター) ■ 小型家電に含まれる金属が貴重な資源に 今年も大掃除の時期が近づいてきた。いざ、部屋を片付けはじめるといつも頭を悩ませがちなのが、大小様々な不用品の処分だ。 なかでも、使わなくなったスマートフォンやデジタルカメラ、電子辞書、電卓、ドライヤー、アイロンといった小型家電は、意外とたくさん家の中に眠っているものだろう。ただ、これらの小型家電の処分方法を知らないと、ついつい「不燃ゴミ」として捨てたくなるかもしれない。 不燃ゴミとして捨てる場合は、地域によっては指定された有料のゴミ袋に入れる必要があるなど、手間や負担を感じることもありそうだ。そこで考えてほしいのが、不燃ゴミ以外の処分方法である。 実は、小型家電の中には貴重な鉱物資源を含んでいる製品もあり、回収・リサイクルしてくれるケースがある。 そもそも鉱物資源にはさまざまな種類がある。 例えば、鉄やアルミといった比較的簡単に精錬できるものは「ベースメタル」。リチウムやコバルトなど埋蔵量が少なかったり抽出が難しかったりする希少な金属は「レアメタル」。レアメタルの一部でネオジムなど特定の17元素は「レアアース(希土類元素)」と呼ばれている。 レアメタルやレアアースは、電気自動車(EV)やスマホなどハイテク製品を作るのに欠かせない。そのほか金や銀といった「貴金属」も代表的な鉱物資源だ。
■ 自治体が設置した“都市鉱山”への入り口 小型家電の中に含まれるレアメタルなどを回収し、リサイクルできれば、資源に乏しい日本にとって重要な資源の供給源になりうる。そんな考えのもと、小型家電は製品によって回収が推奨されている。 回収された小型家電から資源が生み出される様はまるで、都市に現れた鉱山のようだとして、最近では「都市鉱山」とも呼ばれている。工業製品があふれる日本は、さながら“都市鉱山大国”とも言えそうだ。 こうした動きを政府も後押ししている。2013年には「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)」が施行された。不用品に使われているレアメタルやベースメタルを回収し、有効活用するための取り組みだ。 この法律によって、各自治体では小型家電用の回収ボックスが設置されるようになった。いわば、回収ボックスは都市鉱山への入り口ともいえる。 例えば、さいたま市では、地域の役所、コミュニティセンター、図書館などの公共施設に行けば専用の黄色い回収ボックスを利用できる。不要な小型家電を直接入れるだけでOKなので、ゴミ袋の準備も不要だ。幅30cm、高さ15cmの投入口を通過できる大きさであれば、携帯電話からゲーム機、ラジオやパソコンといった様々な小型家電を持ち込める。