「仕事と家庭」両立しようと疲弊する人の根本原因 禅僧が解説「疲れや不安を手放す」生き方
仕事に没頭し、多少のストレスも厭わないあり方を仕事モードとするなら、仕事のことを忘れて心身を休めるのが家庭モード。どちらも私たちの生活には欠かせないが、両者が混ざってしまうのは避けたいところ。帰宅後も仕事をしていたのでは疲れがとれず、家族とのコミュニケーションも中途半端なものになってしまうからだ。 つまり、仕事は仕事として100%やり切る。家庭は家庭として100%やり切る。この2つを混ぜないために、日常生活の結界が重要な意味を持つということである。
とはいえテレワークが浸透して以降、仕事と家庭の境界は曖昧になっている。もちろんテレワークには多くのメリットがあるが、仕事とプライベートとの距離が緊密になりがちであるため、「仕事に集中できず、ついダラダラしてしまう」「仕事のストレスをオフタイムに持ち込んでしまう」などの弊害もあるだろう。 そうであるならば、結界を自分の手でつくることです。 結界づくりにこれといってルールはありません。頭のなかで「〇〇をしたら仕事モード」「△△したら家庭モード」と“儀式”を決めておくだけでよいでしょう。(111~112ページより)
なるほど、結界という概念を利用して「外と内」を分けてみれば、日常生活にもメリハリがつくかもしれない。新しい年をひとつのきっかけとして、試してみてはいかがだろうか。
印南 敦史 :作家、書評家