ひろゆき×米山隆一 「年収の壁」撤廃の基準をどこに設定するべきか? 7.6兆円の税収減でも全員に恩恵?低所得者層に留める?
■ひろゆき氏「まず法案を通すべき」米山氏「一発勝負でやっちまえ、は太平洋戦争の大失敗の道」
今回の衆議院選挙をきっかけに、一気に注目された「103万円の壁」だが、これまでも議論がされていなかったわけではない。しかし、この30年間、基準がそのまま変わらなかった現実と、それは働き控えに繋がってしまっているという実態がある。米山氏は、立憲民主党が2月に130万円の壁撤廃を盛り込んだ補正予算案を出していたが、注目されなかったと主張する。「選挙が終わってからだいぶ注目されるようになった。だからと言って飛びついて慌ててやって、その7兆6000億円のすごい大穴を開けた時に、もう一回再増税はほぼ不可能。そんなことを言った途端に、もうその人は選挙で負ける。また延々と話すだけで決められない政治をしたいわけではないが、1年ぐらいの時間をおいてきちんと制度設計をしたらどうですかと思う」と慎重な姿勢を示した。 一方、ひろゆき氏は時期を逸することを警戒した。「とりあえず僕は法案を通すのを先にやるべきだと思う。要するに、みんなで議論しましょう、ゆっくり完璧な形を見つけましょうというのを続けて社会を変えないことを、ずっと日本がやり続けた結果が今。とりあえず一発やってみようぜ、という時に、ずっと議論し続けて結局何もしませんでしたという形になる可能性を危惧している」。 これに米山氏は反論。「それこそが日本が太平洋戦争に突っ込んだ道。アメリカとの交渉が膠着して、もうしょうがないから一発勝負でやっちまえで大失敗した。7兆6000億円は国の税収の10%で、ものすごく大きな変更を伴うようなこと。それをもうグズグズ考えていてもしょうがない、後で何とかなるだろうというのは、それこそ無責任だ」。 他の出演者からも、シミュレーションも含めて1回、壁を取っ払ってみるのはどうかという質問が出たものの、米山氏は「ものと規模感による。納税者のほぼ全員に、10万円から20万円の減税をすることになる。それを全部戻すとなったら、ほぼ全員から10万から20万の増税をしなければいけない。そんなことを言った途端に、その政党は勝てるとは思えない」と改めて語っていた。 納税者のほぼ全員の手取りを増やす政策として、国民民主党は多くの支持を集めたが、カンニング竹山氏は今回の議論などを受け、衆議院選挙の時点から深い理解が必要だったと振り返った。「僕らが勉強していなかったのが悪かった。国民民主党が103万の壁でバーンと選挙をやった時に、みんなが変わると思ってしまったところが、有権者のこちら側もちょっと勉強不足だった。やり方はあると思うが、そのやり方をどうするか。103万円をドーンとみんなでやりますというのは、ちょっと不可能じゃないかなと思っている」と、議論・協議が深まることで、国民民主党の案だけではない別の道を模索し始めたと述べた。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部