政権崩壊のシリア首都で空爆 次の“主導権”争い活発化 「自由が手に」歓迎と不安
半世紀余りに及んだアサド政権が崩壊した中東・シリアでは、早くも次の主導権を巡って関係国らの動きが活発になっています。 【画像】シリアの首都ダマスカスで炎に包まれる建物 アメリカ中央軍が過激派組織「イスラム国」の幹部などを空爆したと発表
■政権崩壊シリア首都で空爆
主を失った大統領官邸。市民が押し寄せ、次から次へとモノを略奪していきます。 わずか10日余りで幕引きを迎えた、反体制派による首都制圧。しかし、誰が国を率いていくのか、まだ何も決まっていません。 制圧の数時間後には、首都ダマスカスで火の手が…。アメリカ中央軍は、過激派組織「イスラム国」の幹部や拠点など75以上の標的を空爆したと発表しました。 アメリカ中央軍 「混乱に乗じて『イスラム国』が再編成しないようにするため」 イスラエルメディアもイスラエル軍がシリア各地を空爆したと報じています。 イスラエル軍(イスラエルメディアによると) 「残存する化学兵器や長距離ミサイルが過激派に渡らないよう攻撃した」 さらに、イスラエルはシリアとの間に設けていた「緩衝地帯」を掌握するよう軍に指示。安全を確保するためと主張していますが、真意は不明です。
■「自由が手に」歓迎と不安
10年前、日本に避難してきたシリア人のアルマンスール・アセムさん。アサド政権崩壊をどうみているのでしょうか? アセムさん 「みんな喜んでいます。今までシリア人は自由に話すことができなかった。(政府について)話したら、すぐ逮捕されたり虐殺されたり。人生でそんな日を迎えるのは、自由が手に入ったということ」 一方で、やはり気になるのは今後です。 アセムさん 「まだ政府もないし。新しい独裁政権ができてしまわないか心配」 アサド政権のジャラリ首相は9日、反体制派の指導者と会談し、権力を移行することで合意しました。 中東メディアは、行政機構の首相を務めるバシール氏が暫定政府の首相になると伝えています。 (「グッド!モーニング」2024年12月10日放送分より)
テレビ朝日