「闇バイト応募者は“逮捕される要員”」公式LINE悪用し100人以上引きずり込む 明かされた使い捨ての実態
■LINEの「公式アカウント」を悪用…100人以上を犯罪に加担させたやり口
闇バイトへの入り口は「X」などのSNS上だけにとどまらず、次から次に「志望者」が吸い込まれているのが現状だ。 その実態について、愛知県警の「サイバー犯罪対策課」の幹部が取材に応じた。サイバー犯罪対策課では、捜査員53人が、闇バイトなどのネットを悪用する組織的な犯罪を捜査している。
松本淳平課長が挙げたのは、愛知県警が実際に検挙した“チラシを配る闇バイト”の事件についてだ。 愛知県警サイバー犯罪対策課の松本淳平課長: 「愛知県内で、アパートの郵便受けにチラシが配布されました。チラシを配るということをやると、多数の人に目撃されてしまいます。当然警察としてはすぐ行き着くことができました」
事件は、アパートの郵便受けに、「家賃の支払いがオンラインになった」というウソのチラシを配り、騙された住人に現金を振り込ませる詐欺だ。
チラシを配るという、いたって足のつきやすい役割の募集に、「LINEの公式アカウント」が悪用されたという。アカウント名は『ズボラ副業』で、運営していたのは、25歳の男だった。 愛知県警サイバー犯罪対策課の松本淳平課長: 「お金に困っている人を応募させてこの犯罪に加担させる。“ズボラ副業”(というアカウント)は、まさに“ズボラな人でも片手間で副業できる”という趣旨ですから、まさに効率的に金を稼ぎたいと思う人の心に付け込むような文言」
「公式」アカウントを使うことで、“正規の仕事”、つまり“法には触れない”と感じる心理を悪用していたとみられている。 男は複数の公式アカウントを操り、詐欺行為やマネーロンダリングの“実働部隊”として、何人もの人を引きずり込んだ。男に加担した人の数は、100人以上に上るという。 愛知県警サイバー犯罪対策課の松本淳平課長: 「犯罪組織の上位被疑者たちは、末端の闇バイト応募者が“いくら捕まっても全く問題ない”というぐらいにしか思っていない。使い捨てにする。言い換えると、“逮捕される要員”のような形で使われているわけですから、最も危険な仕事ということになる」