香港ハンセン指数は「インターネット関連銘柄」が牽引 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
※本稿は、チーフリサーチストラテジスト・石井康之氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。「アジアリサーチセンター」のレポートを基に、中国を中心に2024年8月のアジア・マーケットを振り返ります。
アジア:マーケット動向
⇒【株式】まちまち、【通貨】上昇、【債券】まちまち 【株式市場】 ◆インドネシアなどが上昇する一方、韓国などが下落 インドネシアは、政府が財政赤字の対GDP比率が低下するとの予算案を発表したことなどから上昇。また、物価上昇圧力が緩和するとの見通しから政策金利を引き下げたフィリピンが堅調だったほか、香港においても好調な企業業績を発表した大手インターネット関連企業などの株価が上昇。インドでは、米国における過度な景気減速懸念が後退したことなどから、米国向け売上比率が高いソフトウェア関連企業の株価が上昇。一方、テクノロジーセクターの構成比が高い韓国は米大手半導体企業による新製品投入が遅延するとの懸念などから軟調に推移。シンガポールは政府がGDP成長率予想を引き上げたものの月を通してみると若干の下落となった。 【通貨(対米ドル)】 ◆上昇 米ドルが8月下旬にかけて下落したことを受けて、多くのアジア通貨が米ドルに対して上昇した。株式市場への資金流入、原油価格の上昇などを受けて、マレーシアリンギットが最も上昇した。一方、景気堅調で貿易収支赤字が拡大しやすいインドルピーは下落した。 【債券(国債)市場】 ◆まちまち 国債利回りはインドネシア、シンガポール、オーストラリア等、多くの市場で低下した。一方で、マレーシア、中国、韓国ではやや上昇し、これまで金利低下が続いた後の調整地合となった。インドネシア、オーストラリア、インド、韓国等では政策金利の据え置き継続となった。 <※参照:各国の株価指数の名称> ●中国:上海/深圳CSI300指数、●香港:ハンセン指数、●韓国:韓国総合株価指数、●台湾:台湾加権指数、●インドネシア:ジャカルタ総合指数、●マレーシア:クアラルンプール総合指数、●タイ:SET指数、●ベトナム:ベトナムVN指数、●シンガポール:シンガポールST指数、●フィリピン:フィリピン総合指数、●インド:SENSEX指数、●オーストラリア:ASX200指数
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