香港ハンセン指数は「インターネット関連銘柄」が牽引 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
中国<金融市場動向>
⇒株式はもみ合いへ、人民元は安定へ、金利はもみ合いながら低下へ 【株式市場】 ◆香港ハンセン指数はインターネット関連銘柄が牽引 香港は好調な企業業績を発表した大手インターネット関連企業などの株価が上昇したほか、中国の7月の消費者物価指数(CPI)が市場の事前予想を上回ったことなども好感された。また、中国政府が個人消費を促進するため、住宅所有者の住宅ローン借り換えを可能にすると報道されたことも押し上げ要因となった。投資戦略においては、引き続き構造的な成長分野の有力企業、政策のサポートを得ている企業、国際競争力のある企業、増配が期待される企業に着目し、ツーリズムや高齢化関連、環境関連や工場自動化などが長期目線では有望視できそうだ。 【為替・債券(国債)市場】 ◆人民元は安定へ 米ドル下落を受けて人民銀行は8月中旬から対米ドル基準レートを徐々に元高方向に設定し、これに合わせて対米ドル市場レートも徐々に上昇している。米国利下げ観測が高まる状況では米ドルは下落しやすいため、人民元の対米ドルレートは上昇しやすい。輸出業者が前倒しで元転する動きは更なる元高要因となるが、人民銀行は行き過ぎた元高には元売り介入で対応しているようだ。日銀の7月の利上げを契機に円ショートポジションの巻き戻しが発生し、円高米ドル安が8月上旬にかけて進展したが、一服したようだ。対円でも人民元は安定しやすくなっている。 ◆債券利回りはもみ合いながら低下する展開 中国では、国内の大手銀行が長期債を売却しているとの観測が意識されたことで、利回りには上昇圧力がかかった一方、軟調な中国景気に焦点が当たる中、利回りは上昇幅を縮小。目先は、人民銀行による国債売買の影響が意識される一方、中国経済の回復の鈍さに変化はなく、追加緩和への期待が維持される展開は継続すると見込み、中国国債利回りはもみ合いながら低下する展開を予想する。
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