香港ハンセン指数は「インターネット関連銘柄」が牽引 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
中国<マクロ経済動向>
⇒需要不足を背景に低インフレ ◆弱い需要が続く 8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は4ヵ月連続で50割れとなった。需要不足が続いており、需要の代理変数である「新規受注」は4ヵ月連続で50割れとなった。一方、供給の代理変数である「生産」は50割れとなった。政府が鉄鋼生産能力の圧縮を示唆していることから目先の鉄鋼生産は下振れリスクに直面している。サービス業PMIの上昇を受けて非製造業PMIは50.3へやや上昇したが、これは夏季休暇の季節性の範囲内であり、サービス業が持ち直したとは言い切れない。 ◆住宅価格の下落基調が続く 国家統計局が取りまとめている70都市の新築・中古住宅価格をみると、7月も新築・中古ともに引き続き下落した。住宅価格の下落基調が長期化することによって、家計部門の資産価値が目減りし、需要不足をもたらす構図が今後も続きそうだ。 政府は5月に入って、住宅在庫の削減策を打ち出した。国有企業が人民銀行の低利融資制度を利用し、購入した住宅在庫を低所得者向け住宅に転用するという内容だ。取引リスクは国有企業、不動産ディベロッパー、銀行、地方政府が負うことになっており、住宅価格を上昇傾向に反転させるパワーはなさそうだ。 ◆低インフレが続く 7月の消費者物価は前年同月比+0.5%と市場予想を上回ったが、主に悪天候を背景に食料品インフレが加速したためとみられる。一方、コアインフレ率は同+0.4%と、6月の同+0.6%から鈍化した。食料品インフレの加速は供給面による一時的な要因が背景とみるが、コアインフレの鈍化は需要不足という需要面の構造的な要因を背景にしていると考える。目先、夏場の悪天候による食料品インフレの加速は続きそうであるが、コアインフレは下振れリスクに直面していよう。 石井 康之 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフリサーチストラテジスト ※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。 ※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『香港ハンセン指数は「インターネット関連銘柄」が牽引 ~アジア・マーケット動向の振り返り【解説:三井住友DSアセットマネジメント】』を参照)。
石井 康之,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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