「もしトラ」・北露蜜月・日本の政局混迷…急変する韓半島の安全保障環境
ロシアに派兵された北朝鮮軍は、早ければ今週からウクライナ戦線に投入されるという観測も出ている。一部には韓国政府の関心がウクライナに向いている間に北朝鮮が証拠が残りにくい2010年の天安爆沈のような挑発行為に及ぶ可能性も議論されている。 ただ、戦争の長期化でロシアの国力が消耗している点、北朝鮮軍の韓国に対する軍事的対応が一時的ではあるが思うようにいかない点などは、韓国にとって悪いことではないという分析されている。千元首席秘書官は「これを機にウクライナと防衛産業協力を本格化し、北朝鮮軍が投入されたロシア領土に韓国の武器を提供するのではなく、北朝鮮軍が配置されていない地域に提供するなど、知恵を発揮すべき要素は多い」と話した。 尹錫悦政権は昨年3月、強制徴用関連の第三者弁済案で韓日関係を正常化した後、主に自民党の知韓派との間で来年の韓日国交樹立60周年に備えてきた。しかし、27日の衆院選で自公連立与党が惨敗し、仮に政界再編となれば、すべての議論がやり直しになる状況だ。中国が混乱に乗じて台湾海峡で軍事行動に踏み切る可能性も指摘されている。中国政府は習近平主席3期目を機に、自国領と見なす台湾を統一する意欲を強調している。 朴元大使は「日本は沖縄南西の与那国島が台湾から116キロしか離れておらず、中台戦争が起きれば自動的に介入するほかないと考えるため、韓国がこの問題に対し何をできるのか戦略を研究すべきだ。トランプ政権になっても韓日が単独で話すより『ワンボイス』を出せば(影響力が)強まるので、韓日が連携した活動戦略が重要な時期だ」と述べた。 専門家は韓国が対外的に「経済は中国、安全保障は米国」といった戦略的あいまい性を掲げる時期は過ぎたと見る。また、今のような非常期には大統領室と外交部が危機意識を持ち、対外戦略を全面的に見直す必要があるとの指摘も出ている。ある元外交官は「現在の危機状況を乗り越えるには、大統領室がもっと戦略的でなければならない。竜山(大統領室)内部の少数の頭脳から出てくる考えだけでは、この波を乗り越えることは難しい。 安保危機を克服する特別組織が必要かもしれない」との認識を示した。 李河遠(イ・ハウォン)記者、朴国熙(パク・ククヒ)記者