オルツと日本M&Aセンター、AIクローン技術によるM&Aマッチングの実用化に挑戦
オルツと日本M&Aセンターは、AIクローン技術を活用したM&Aマッチングシステム「CloneM&A」の実証実験を開始した。AIクローン技術でM&Aマッチングの成約率を向上させ、事業承継問題の解決を目指すという。オルツが1月8日に発表した。 オルツは、2024年11月にAIクローン技術を活用したM&A成約事例を発表しており、マッチングや成約スピードなどで従来の手法を大きく上回る成果を実現しているという。 実証では、日本M&Aセンターの業務特性やニーズに対応したCloneM&Aのプロトタイプを構築し、検証用データを用いてマッチング精度やその実用性を検証する。さらに日本M&Aセンターによる専門的かつ実践的なフィードバックをもとに、同システムが実際の業務にどのような貢献ができるかを検証していく。 CloneM&Aは、従来の属人的なキーワードマッチングとは一線を画す高いマッチング精度を実現する。大規模言語モデル(LLM)で売り手企業のクローンを生成し、データベース内の買い手企業のクローンと仮想面談を行う。その上でマッチングスコアやシナジーを算出する。企業の音声データや事業資料などを学習し、高精度なマッチングを実現する。 昨今、後継者不在による黒字廃業が社会問題化している。事業承継までの期間を約5年と仮定した場合、20万社の事業継承を行うには年間4万社規模のM&Aが必要となるが、現状は年間4000件程度にとどまっているという。また、M&A仲介事業者数は過去5年で3倍以上に増加したものの、M&Aアドバイザー1人当たりの年間成約件数は平均1件程度で、成約率も2割程度となっている。