物価高の中 ガソリン値上げ 国による補助縮小で家計影響も 奄美大島
ガソリン価格の抑制策として国が石油元売り会社に支給している補助金の縮小が19日に始まった。縮小に伴う値上げ幅は、1リットル当たり5円程度。鹿児島県奄美大島でもガソリンスタンドでの小売価格が上がっており、利用者からは「物価高の中で、さらに家計に影響する」「(もともと緊急措置だったので)仕方がない」などの声が聞かれた。 国による補助は、原油価格高騰がコロナ下からの経済回復の重荷になることを防ぐことなどが目的。緊急措置として2022年1月にガソリン、軽油、灯油、重油を対象に開始し、延長を繰り返してきた。今年11月の閣議決定で、12月からの段階的な補助率の縮小が決まった。 県の抽出調査によると、大島地域(奄美市、大島郡)の11月のガソリン価格(レギュラー、スタンド現金売り)は1リットル当たり税込み195円。県平均の182円を大きく上回る。 19日に奄美市内のガソリンスタンドで社用車に給油していた40代の男性は「島内全域、毎日走っており値上がりは厳しいが、仕方がないのかなと思う」。80代の農家の女性は「(米など)物価高の中で、ガソリンの値上げの影響は大きい。島では車が1人1台の家も多い」と困り顔だった。 県石油商業組合大島支部の川上利治支部長は「もともと予定されていたもので、値上がりは仕方がない。(今後の価格については)原油価格や為替などの影響も受けるため見通しできない」と話した。 来年1月16日からは、基準価格168円から185円までの補助自体がなくなる。
奄美の南海日日新聞