665馬力の純粋なアドレナリン それが新型アストンマーティン ヴァンテージの性能だ!
21インチの軽量鍛造ホイールにフロントに275/35 R 21、リヤに325/30 R 21のサイズのミシュランパイロットスポーツS5を装着し、特別に作られたヴァンテージでタイヤを温めたら、いよいよスプリントだ。この車は、先代モデルの4.1秒ではなく、0から60マイルまで3.5秒で加速する。これを助けるローンチコントロールシステムは極めてシンプルで、左足をブレーキに、右足をアクセルに踏み込み、ブレーキを急に離せば完了だ。「ヴァンテージ」は、V8サウンドを響かせ、1.6トンほどの重量をものともせず、力強く発進する。
派手な走りをしたいなら、素晴らしいオプションがある。それは、アジャスタブルトラクションコントロールシステム(ATC)だ。ATCは、ESPのヨーコントロール機能を徐々に無効化する。これを行うには、ESPボタンを数秒間押し、センターコンソールのコントロールダイヤルで希望のレベルを設定する(このダイヤルでは、減衰力、アクセル感度、トランスミッションの動作に影響を与える「ウェット」、「インディビジュアル」、「スポーツ」、「スポーツ+」、「トラック」の各走行モードを選択する)。発進中に必要なスリップ量をダイヤルで調整し、ローンチ・コントロール・システムによるホイール・スピンの制御量の増減が行える。
このシステムは、スタートラインよりもサーキットでこそ意味をなす。完璧に、そして何よりも安全に、楽しさの指標として使用できる。高速コーナーやタイトコーナーでリヤをどれだけ振るかを、楽しみ、才能、勇気に応じて調整できるからだ。ラップタイムやタイヤを気にしなければ、素晴らしいシステムだ。さらに、これは、ドライバーが自分の限界に徐々に近づいたり、広げたりできる方法であり、サーキットのバリアに19万8千ユーロ(約3,000万円)のおもちゃをぶつけてしまうことを即座に心配する必要がない。
時速325kmで終わり
ここでは、最高速度325kmとリヤスポイラーによって生み出される77kgのダウンフォースを試すことはできなかった。直線では270km/hまで加速し、最初のカーブの手前200mで急ブレーキをかけなければならない。「ヴァンテージ」は、終始安定した印象を残した。ちなみに、新型「ヴァンテージ」の動力伝達も、シフト時間が短縮されたZF製8速オートマチックトランスミッションが担当している。