「なぜ、また同じミスを?」ミスを繰り返す部下に疲れたあなたへ…怒りを減らしストレスを軽減するための〈8つの対策例〉【アンガーマネジメントのプロが提言】
「どうして、また同じミスを?」「なんでこの報告をしないの⁉︎」そんな悩みを抱えた経験はないでしょうか。しかし、あまりにもミスが多い場合、こうした怒りを直接相手にぶつけることだけでは、状況改善にはつながりません。研修講師として25万人以上にアンガーマネジメントを指導してきた戸田久実氏は、むしろ期待を抑え、事前の対策やリスク管理を工夫することで、部下の成長を見守りながら、円滑な業務を進めるための方法が見えてくると話します。本記事では、戸田氏の著書『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)から、ミスの多い部下への効果的な対応策ついて、一部抜粋・編集して紹介します。 都道府県「従業員の労働時間」ランキング
ミスを繰り返す部下への対処法
Q:安心して仕事を任せられない人に直面して困っています A:過度な期待をやめよう ミスが多いとわかっている相手に安心して仕事を任せるのは難しいもの……。そんなときには、リスクが最小限ですむように対策を考えておきましょう。 安心して仕事を任せられないと、心配で気が気でない人も多いでしょう。「え⁉︎ どうしてここでそれをするの⁉︎」「なんでこんなことをしてしまったの⁉︎」「なんでこの報告をしないの⁉︎」このように、心配が高じてイライラしてしまうことはありませんか? 話の通じる相手であれば、「これはこうしてもらいたいんだ」「このように仕事をしてもらえないと、安心して任せられないんだ」と率直に伝え、すぐに対応してもらいましょう。ところが、なかには何度注意をしてもミスを繰り返す人も……。このタイプの人に苦労している管理職の人は、じつはとても多いのです。 あまりにもミスが多い場合、もしこちらが取引先の立場なら、「この人との仕事は安心できないな」と思った段階で担当を替えてほしいと要求してもよいと思います。それが難しい場合は、「この人と仕事をするうえで、最小限のリスクですむにはどうしたらいいのか?」と考えて取り組むといいでしょう。 たとえば、次のような対策をとるのはおすすめです。 〈8つの対策例〉 ・重要な仕事を任せる割合を減らす ・ほかの人よりも頻度が高いチェックを行う ・ミスをする相手だとあきらめて、通常よりも細やかにチェックをする ・一人前にしようとするのをやめる ・イレギュラーなタイプと割り切る ・「ひとりで一から十までできるようにする」という発想を一度手放す ・「通常、人ってこう育つものだ」という自分のセオリーを一度手放す ・本来はひとりでやってもらいたいことでも、二人体制にする こちら側が柔軟性を持ち、気持ちを切り替えてしまったほうが、気もラクになりますし、物事が建設的に進むはずです。また、1対1で対応していると、自分ひとりが被害を被ることになってしまいます。それは怖いので、かならず誰かを絡めて、チームで仕事をするようにしましょう。 ・メールであればCCに誰かを入れる ・チームとして仕事をする ・仕事の重要度を相手の力量に合わせたところからはじめる ・ほかの人よりも高い頻度で進捗報告させながら面倒を見ていく ……など、さまざまな対応策を用意して進めていくことが必要になるでしょう。 あまりにも想像の域を超えたことをされたときは、極端な例で言うと、違う星の住人だと思ってお付き合いをしていきましょう。