進化する OOH 広告。認知度向上手段から効果的なコンバージョンツールに
小売バイヤーやクライアントもターゲット
一方、2022年創業のアイスティーブランドであるセントジェームスもOOH広告に取り組んでいる企業のひとつだが、特定のパフォーマンス目標を念頭に置いて広告のタイミングを決めている。 セントジェームスのプレジデント兼CEOを務めるブラッド・ニューマン氏は、同社にとってOOH広告のパフォーマンスは良好だと語った。最初の取り組みは、ブランドの立ち上げを告知するタイムズスクエアの広告だった。OOHキャンペーンの成果を把握するために、同社は広告看板やワイルドポスティング(壁や塀に掲示するポスター)にQRコードクーポンを掲載している。 セントジェームスの次の大規模なOOH広告はこの春に予定されている。ニューマン氏によると、音楽フェスティバルのステージコーチ(Stagecoach)とコーチェラ(Coachella)について、「イベントに向かう砂漠のルート沿いに広告看板」を設置し、コーチェラのフェスティバル会場での同社のサンプリング活動を宣伝するという。ライドシェアのウーバー(Uber)の一部車両はセントジェームスの広告でラッピングされ、車内ではアイスティー入りのクーラーボックスが提供される。「コーチェラで配布されたボトルとサンプル数と、ステージコーチでの純売上を調査するつもりだ。ステージコーチでは、すべての売店で販売する予定だ」とニューマン氏は語った。 さらにニューマン氏によると、同社のOOH戦略は小売バイヤーや顧客をターゲットにする手段も兼ねているという。2月末には倉庫型量販店コストコ(Costco)での展開を開始し、全米でもっとも総収益が高いコストコ店舗の近くでOOH広告を実施している。 「当社は現在、食品スーパーのホールフーズ(Whole Foods)に参入しようとしている。そこで、ホールフーズ本社近くのオースティン地区にたくさんの看板を出している」とニューマン氏は語り、バイヤーがセントジェームスの紅茶を毎日目にすることになれば、「私の電話に折り返してくるだろう」と冗談めかして笑った。