進化する OOH 広告。認知度向上手段から効果的なコンバージョンツールに
インスタグラムから現実世界への進出
実際、OOHを試しているデジタルネイティブのブランドは、このチャネルへの投資をより意図的に行おうとしている。 その一例として、2022年に創業したおむつメーカーのコーテリは、同社の投資家でブランドアンバサダーでもあるカーリー・クロスの支援を得て、ブランド認知を確立するために初の大規模なOOHキャンペーンを実施している。 より具体的にいえば、コーテリのおむつに興味を持ちそうな高所得者層の親やその子どもたちがが頻繁に訪れる地域をターゲットにしたテストだ。コーテリは2月5日から4週間にわたり、ニューヨーク市とロサンゼルスの主要マーケットで、クロスとコーテリを着用した数人の乳児を起用したOOHキャンペーンを開始した。 同社のブランドマーケティング担当ディレクターであるブリタニー・ディームズ氏は米モダンリテールに、これはストーリーテリングを利用して現代的な子育てを紹介するというアイデアだと語った。ディームズ氏は、ファッションブランドを宣伝する広告看板にキャリアを通じて数え切れないほど登場してきたクロスを起用すれば、通行人に少なくとも彼女が宣伝しているブランドを調べさせるだけの関心を呼び起こせるだろうと話した。 「カーリーはこれまで多数の広告塔を務めてきたが、赤ん坊と一緒に登場したことはないだろう。また、おむつブランドのOOH広告はあまり見ないので、目立つには良いメディアだ」と同氏は語る。ディームズ氏によると、このコンセプトのテーマは、現代の出産後の子育てに関する誤解を覆すことだという。「赤ん坊と格闘するカーリーの姿を通じて、親になっても自分のキャリアが奪われるわけではないと我々は伝えている」のだとディームズ氏は説明した。 最大クラスのコーテリの看板は、ロサンゼルスのサンセット大通りにあるシティナショナルバンク(City National Bank)の壁やウィリアムズバーグのワイスアベニュー&ノース12thストリート(Wythe Ave & N. 12th)などに掲げられている。また、トパンガのセンチュリーシティ(Century City)やサンディエゴのウェストフィールド(Westfields)など一部のショッピングモールでは、デジタルビデオのOOH広告が設置された。さらにこのキャンペーンは、コーテリのソーシャルチャネル、Eメール、インスタグラム、TikTokでクロスプロモーションされ、閲覧数とエンゲージメントをさらに増やしている。 同社はキャンペーン終了後に指標を評価する予定だ。しかしディームズ氏によると、これまでのところ、ニューヨークとロサンゼルスではコーテリのウェブサイトの平均セッション数が前週比でそれぞれ20%と18%増加しているという。