「準優勝の悔しさを、二度と味わいたくない」。来日16年目の悲願へ、己を超え続ける“44歳守護神”の生き様|フットサル
10・11月のFリーグ月間MVPは、バルドラール浦安のピレス・イゴール選手が受賞。10月の中断明けから8試合中3試合でクリーンシートを達成しただけでなく、得点やアシストなど攻撃的なプレーでも勝利に貢献。首位を走るチームを最後尾から支える44歳の超ベテラン守護神・イゴール選手の受賞インタビューをお届けします。 【映像】44歳守護神“先制点”の瞬間 インタビュー・文=伊藤千梅(SAL) 編集=本田好伸(SAL) ※インタビューは2024年12月6日に実施しました
息子が喜んでくれた今季初得点
──10・11月のFリーグ月間MVPの受賞おめでとうございます!率直なお気持ちはいかがですか? すごく光栄です。44歳でもトップリーグで戦えて、いいパフォーマンスを見せられて本当にうれしいです。体はきついし、疲れるけど……もうちょっと頑張りたいです。 ──チームメートはどんな反応でしたか? チームメートは「今日もすごかったね!」と試合のたびに優しい言葉をかけてくれます。もちろんうれしいですが、僕の気持ちとしては「いい結果を出せるのはみんなのおかげだよ」と思っています。(長坂)拓海や(石田)健太郎、レアンドロ、(田中)晃輝、他のみんなそうです。GKは最後の壁ですが、僕の前で全員が守備を頑張ってくれるおかげです。 ──第14節、第15節と2週連続で週間MVPを受賞しました。第14節のしながわ戦では38本のシュートを受けて無失点に抑えていますが、なぜそんなに止められるのですか? わかりません(笑)。もちろん、どの試合も勝たないといけないですが、順位が近い相手との試合だったので、モチベーションはいつも以上に高かったと思います。すごく集中していたし、絶対負けたくないという気持ちでした。 その日は最初からいいセーブができました。2回、3回と止めていくうちにどんどん気持ちが乗ってきて、もっといいパフォーマンスができると自信が出てきました。 ベンチの選手たちの戦う気持ちも見えましたし、みんなが最後まで頑張ってくれて勝つことができたので良かったです。この試合が、今シーズンで一番いい思い出です。 ──続く立川戦では今シーズン初ゴールも決めました。 昨シーズンから攻撃にもこれまで以上に参加するようになっていますし、それはすごく楽しんでいます。でも、僕のシュートはそこまで強くありません。立川戦もどこのスペースが空いていて、どこで数的優位をつくるかを考えながらプレーしていました。 あのシーンは自分がフリーになったので「シュートしかない!」と思って打ったら、とてもいいコースにいきました。得点の瞬間は「入った!」と、自分でも信じられませんでした(笑)。 ──ええ……シュートが強くないって(笑)。 強くはないですよ。あの試合は息子がスタンド席から見ていたのですが、初めて目の前でゴールを決めることができましたし、すごく喜んでくれました。僕も試合中に泣きそうになりましたが「我慢、我慢」と思ってこらえました。本当に最高の気分でした。 ──チームメートもすごく喜んでいましたね。 みんな毎日一緒に練習して戦って、いい時も悪い時も、怪我をした時も、みんなでサポートし合っています。あのシュートもすごく喜んでくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。 ──44歳でコンディションを維持するために気をつけていることはありますか? 食事には気を遣っています。本当は筋トレも毎日やりたいけど、難しいです。でもだいたい週5日くらいはやっています。サプリメントもたくさん飲んでいるし、ケアはマッサージを入念にしてコンディションを整えています。それによって、選手としてのキャリアが少し延びていると思います。
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