3人のママ、鈴木亜美。第1子の子育てはワンオペで、精神も不安定に。コロナ禍の経験でわが家は初めて“家族”になれた
コロナ禍で仕事のしかたや暮らし方が大きく変わり、初めて“家族”になれた
――パパとは、結婚後、子どもをもつことついて話し合っていましたか? 鈴木 結婚したとき、夫は20代後半で、私は30代半ばでした。私は子どもが欲しかったのですが、夫はまだ若かったし、まだまだそういう思いはなかったようでした。自分の子どもというのが、想像できなかったんだと思います。でも、私の妊娠がわかって、実際に子どもが生まれてきて、初めて実感したようでしたね。 ――それからだんだんと、父親としての責任感みたいなものが出てきたのでしょうか。 鈴木 コロナ禍になる前までは、夫はほとんど出張で家にいなかったので、長男のときにはほぼワンオペだったんです。初めての子育てだったし、まわりにママ友もいなかったし、わからないことだらけで大変でした。私もバリバリ仕事をしている状況だったんですが、今のように夫の両親が近くにいるわけではなかったので、頼れる人もいなくて…。 当時は、保育園事情にもまったく知識がなかったので、3歳まで保育園に入れることができなかったんです。一時保育などを利用しながらなんとか仕事をしていました。自分で全部調べてやっていましたが、常に周囲のママたちより出遅れながらという感じで、そのころは精神状態も不安定でしたね。 ――だれかに相談はできていたのでしょうか? 鈴木 長男を妊娠したタイミングで、事務所がいろいろと考慮してくれて、現場のマネージャーがお子さんのいる女性に変わったんです。それで、子育てのことをなんでも相談できたし、いろいろ教えてもらえて、本当に助かりましたね。一時保育が利用できず、長男を現場に連れて行ったときは、仕事の間はマネージャーがミルクやおむつ替えなど面倒を見てくれていました。 当時は子育てのことで気分が沈んでしまうこともあったので、逆に、仕事を入れてもらっていました。仕事場に行けばみんながいて、1人にならなくて済むというのが救いでしたね。仕事をしながらリフレッシュもできたので、それで普段の自分を取り戻していった感じでした。 ――2人目、3人目と、子育ての状況は変わっていったのでしょうか? 鈴木 2人目以降は、私の子育てのしかたもずいぶん変わりました。1人目の経験もあるし、「なんでも早めにやっておこう」という感じで、子育てをするようになりました。1人目のときは出遅れてしまった保育園の入園にしても、生まれる前からここに入れようと準備しておいたりも。 二男が生まれたときが、ちょうどコロナ禍だったということもあって、暮らし方も大きく変わりました。打ち合わせなどもすべてオンラインになったので、仕事も少し落ち着いていたこともありますね。夫も在宅勤務になったので、家に家族みんながいるような生活に。長男はパパと一緒に外に遊びに行ってもらって、私と赤ちゃんだった二男は家でゆっくり過ごすなど、夫婦2人で子育ても分担できるようになりました。 コロナ禍を家で過ごせたことで、パパ自身が、子育ての大変さだったり、仕事や家事とうまく両立させないといけないことをリアルに実感してくれたと思います。そこから、家事も積極的にやってくれるようになりました。コロナ禍はもちろんとても大変な時期でしたけど、わが家にとっては、そこで初めて“家族”になれた大切な時期だったと思います。 お話・写真提供/鈴木亜美さん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部 3人の子どもたちの妊娠・出産は、つわりもまったくなく、出産にも冷静に向き合えたという鈴木さん。しかし、第1子を出産後はワンオペの状況が続き、精神的に不安定になっていた時期もあったそうです。事務所のサポートもあり、仕事で仲間とつながることで、いつもの自分を取り戻していきました。また、1人目の育児の経験をいかして、2人目以降は、親が“見守る”子育てを実践したり、保活は早めに動いたりとさまざまな工夫をするようにも。また、家族にとっては、コロナ禍が大きな転機にもなったようです。 インタビューの後編は、3人になった育児のことや、気持ちのリフレッシュにもなっているという激辛料理、整理収納アドバイザー取得について聞きました。
鈴木亜美さん(すずきあみ)
PROFILE 1982年、神奈川県生まれ。テレビ東京系バラエティ番組『ASAYAN』のオーディション企画で優勝し、1998年に小室哲哉のプロデュース『love the island』で歌手デビュー。2016年に一般男性と結婚し、翌年1月には第1子を出産。2020年2月には第2子、2022年8月に第3子を出産して3児のママに。2022年度の『ベストマザー賞』を受賞している。激辛料理をペロリと食べることから「激辛女王」と言われている。 ●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。 ●記事の内容は2024年12月の情報で、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部