3人のママ、鈴木亜美。第1子の子育てはワンオペで、精神も不安定に。コロナ禍の経験でわが家は初めて“家族”になれた
初めての出産は、「痛みさえ耐えれば、楽しくてうれしくて幸せなこと」と実感
――3人の妊娠中や出産時はどうでしたか? 鈴木 3人とも、妊娠中はつわりもまったくなくて、「本当に妊娠しているのかな?」と思ってしまうぐらい普通に過ごせていました。よく食べていたし、気持ちも安定していましたね。自分の中でも、妊娠中はいいホルモンが出ている感覚で、幸せを感じられていた時期でした。3人ともそんな感じだったので、出産ギリギリまで仕事もできました。 長男のときは、自然分娩を希望しました。初めての経験で、すべてが未知の世界という感じでしたね。 分娩のときも、「頭が出てきましたよ、触ってみますか?」と先生に言われたので触ってみると、髪の毛に触われたんです。そのときに、「私、今、出産してるんだ!」と一気に感情があふれてきて、涙が出てきましたね。長男もちょっとフライングだったのか、まだ頭が途中までしか出てきていない状態で泣き始めてしまったようで、泣き声が聞こえてきたんです。それで、「やばい、産まなきゃ!」という感じで、そこからまた頑張っていきんで産みました。 ――初めての出産なのに、なかなか冷静ですね。 鈴木 もちろんすごく痛かったし苦しかったですけど、けっこう冷静でした。YouTubeで事前に動画を見て勉強していて、「死ぬほど痛い」というイメージで望んだので、「思ったよりもそこまでじゃないし、痛みだけ耐えれば、楽しくてうれしくて幸せだな」という、そっちの印象のほうが強かったですね。あと、自分自身も、けっこう痛みに強くて、パワフルなところがあるんです。 長男のときは夫が立ち会う予定だったんですが、仕事で間に合うかどうかという感じで…。もうすぐ到着しそうということで、最後のほうのいきみはパパ待ち。ギリギリダッシュで分娩室に入ってきたら、そのあとすぐにいきんで長男が生まれました。夫は、血を見るのも苦手な人なので、クラクラしながらの立ち会いだったと思います。 出産後に悩んだのが、授乳の痛みでした。私の場合、陣痛の痛みよりもずっとつらかったんです。母乳の出がよくて、数時間待たずにすぐに胸がパンパンに張ってきちゃうので、しょっちゅう搾乳していました。それがかなり大変で、睡眠不足にも…。産後の入院中も搾乳ばかりしていて、ストックがいっぱいになっていたのを覚えています。 ただ、二男と長女のときは、授乳でそんなに苦労はしなかったんです。おっぱいのほうも、慣れたのかもしれませんね(笑) ――3回目の出産はどうでしたか? 鈴木 長男と二男は自然分娩だったんですが、3人目は無痛分娩を選びました。もう、痛くて耐えられないと思って(笑)。年齢も40歳だったので、そこで無理しても…という思いもあったし、無痛分娩も経験してみたかったんです。 無痛分娩は、とにかく痛みも何もなかったですね。「もう全開ですよ。いきんでいいですよ」と言われても、「えっ、もういいんですか?」という感じ。いきむのも自然分娩のときと比べて楽で、間に休憩を取らなくても永遠にいきめそうでした。それで、一気にポーンと生まれたんです。 産後も体力が余っていたので、分娩直後はすぐにおなかがすいてしまって(笑)。まだ裸の赤ちゃんの横で、しっかりとごはんを食べました。とにかく、産後も元気でしたね。その日からスタスタ歩けたし、退院した直後からも普通に家事をしていたぐらいです。