【バレー】優勝への1ピース!! NEC・古賀紗理那選手のバックアタックの「質の進化」とセッターとのコミュニケーションの「深化」 V1女子
3月3日に行われたバレーボールV1女子決勝はNECレッドロケッツがJTマーヴェラスに3-1で勝利をし2022/23シーズンに続き2連覇、日本リーグから通算9度目、Vリーグから通算8度目の優勝を果たした。 本記事ではその試合の中から優勝への1ピースとなったNEC・古賀紗理那選手のバックアタックについて取り上げる。 古賀選手を含めたNECのメンバーはシーズン中も里大輔ハイパフォーマンスディレクターの指導の下、平日の水木に「試合よりストレスのかかる」トレーニングを積んでパフォーマンスを上げてきた。 その中で金子隆行監督は「トレーニングではジャンプの動作を含めたパフォーマンス向上を図ったことにより具体的な数字は分からないが古賀のジャンプ力が上がった」と語る。古賀選手も自身のジャンプ力が上がったとコメントしている。 また金子監督はバックアタックに関して「前までは(セットの高さを)低くしても速さっていう、「速さっていうのは低さ」という部分が強かった。今は高い打点で打てているのは成長したところ。バックアタックの見た目では昔ほど速くないのかもしれない。 ただ今は高さの部分で上に触っているので、より体感的には早さっていうのを感じられるバックアタックになっている」とジャンプ力向上に伴った質の進化を感じている。 ただこの試合では接戦でセットを取った第1、2セットに関しては古賀選手のバックアタックはほとんど見られなかった。NECはアタッカー4枚が攻撃に入ることをコンセプトにしているため外から見ると普段とは違うように見えた。 そこについてセッターの塚田しおり選手は「前衛の攻撃で第1セット、第2セット得点を取れていたためバックアタックの選択肢が少なかった」からだと語る。 「第2~3セットの空き時間でミドルの攻撃をおとりにしてバックアタックを使っていこう」と戦術を確認。特に第4セットでは勝負どころで古賀選手の質が進化したバックアタックが決まり、点数を広げる要因となった。 またこのバックアタックの質を保てたことに関しては古賀選手とセッターのコミュニケーションの深さが上げられる。 セッターとアタッカーに関して「阿吽の呼吸」という言葉でのコミュニケーションを伴わない表現が使われることが多い。 これに対して古賀選手は「特に塚田にはパイプ(バックセンターからのアタック)でいったら低いトス(セット)が上がったら打てませんとその時に伝えるようにしている。 それを通じて私と塚田の感覚が一致し、低いトスの場合はお互いに分かっているので試合中修正をしてくれ安心して打てた」と言葉を通したコミュニケーションでの感覚のすり合わせの過程を語ってくれた。 塚田選手は後半バックアタックを使えたことについて「古賀がいつもバックアタックに入ってきているのは分かっていたので信じて思い切ってあげられた」と述べた。 NECはトレーニングによるパフォーマンスの向上、感覚だけに頼らないコミュニケーションの積み上げによりシーズンを通してチームが成長することにより目標である優勝、2連覇を果たした。 今後NECは3月にはVCup、4月から8月末~9月に延期された(開催国未定)2024アジアバレーボールクラブ選手権女子大会に出場し、クラブの目標である世界クラブ選手権出場を目指す。
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