世界の文化財が危ない!元「FBI美術捜査官」が語る、美術犯罪の最前線
違法取引の規模は数千億円にものぼる
違法な古美術品の取引の規模は、正確には誰にも分からないが、およそ数十億ドル(数千億円)と試算されている。出どころのわからない古美術品に対する売買や粗暴な扱いは、人類の歴史や遺産の破壊をもたらす。バイヤーの理解の高まりや、国際刑事警察機構(INTERPOL)と国際博物館会議(ICOM)の協力を通じた措置によって、国際社会は一致して違法な美術品取引と立ち向かっている。(後編へつづく) *ロバート・ウィットマン FBI特別捜査官として、20年以上に渡り美術犯罪捜査に従事。「FBI美術捜査官ー奪われた名画を追え」(邦訳:柏書房)や「The Devil’s Diary: Alfred Rosenberg and the Stolen Secrets of the Third Reich」などの著書がある。 (取材・文:マシュー・コラサ/THE EAST TIMES)