渋谷慶一郎「アンドロイド・オペラ」6年ぶり凱旋 協働の「ハトラ」長見佳祐とアーティスト岸裕真が語る魅力と背景
『IDEA』の脚本、2台のアンドロイドの台詞はすべてGPTで生成されています。僕はGPTの学習やディレクションに関するお手伝いをしました。その打ち上げの場で、次もぜひ、と言っていただき、今回の公演への参加に至った次第です。
――そこに長見さんが参加されることになったのは?
岸:長見さんとは何度も共作をしています。ちょうど「イデア」の上演と同時期に金沢21世紀美術館で開催された企画展「D X P (デジタル・トランスフォーメーション・プラネット) ―次のインターフェースへ」にも「HATRA+Yuma Kishi」名義で共同インスタレーション作品を出展しました。渋谷さんは、長見さんのことも、僕と長見さんの関係性もご存じで、「スーパーエンジェルス」について話し合う中で「衣装は長見さんにお願いできないか?」と話がまとまり、僕から長見さんに相談したんです。
長見:岸くん経由でお話をいただいてから、正式に参加が決定するまではとても早かったですね。僕は21年に新国立劇場で上演された「スーパーエンジェルス」の初演も観劇しましたし、今回の公演の概要を教えていただいた時に明確なプランがすぐに思い浮かびました。それを岸くん経由で渋谷さんにお伝えして、初めてお会いした時に「じゃあどう進めようか?」と実行プロセスについて話を進められたんです。
「スーパーエンジェルス」参加に向けたクリエーション
――今作でのお2人の担当領域や制作プロセスを教えていただけますか?
長見:第1部の「スーパーエンジェルス」に参加する、多様な特徴と背景を持つ子どもたちの児童合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」の衣装制作を担当しています。さまざまな体格の約30名の子どもたちが歌い、踊る演目で、大きなアクションもあるんです。彼らを包み込みながら、その動きを増幅し、劇場全体に解き放つような衣装を制作したいと考えています。ぜひ公演で確かめていただきたいですね。