英母国メディアはイングランド惜敗も健闘を評価「あら探しする時じゃない」
ワールドカップ・ロシア大会準決勝のクロアチア対イングランドは、延長の末、クロアチアが2-1でイングランドを下し初の決勝進出を決めた。 28年ぶりのベスト4進出を決めたイングランドは、前半5分に得意のセットプレーでトリッピアーがFKを決めて先制したが、後半23分にクロスに反応したペリシッチにねじこまれて同点に追いつかれ、延長後半4分にマンジュキッチに決勝点を決められた。 イングランドは5バックのフォーメーションで守備一辺倒でクロアチアに攻め込まれ続けるという厳しい内容での敗退となったが、英メディアのデイリーメール電子版は、今大会でのイングランドを称える論調の記事を掲載した。 タイトルは「我々はイングランドと再び恋に落ちることを学んだ...クロアチアに準決勝で敗れたことは胸が痛いが、彼らは疑い深い大衆とチームを再び結びつけた」というものだ。 「英国がワールドカップでベスト4に入って以来、長い時間が経過した。イングランドファンは、どこへも連れていってくれない退屈な試合に飽きていた。しかし、サウスゲート監督と、彼のチームが、このロシア大会で、私たちをどこへ連れてきてくれたのかを認めなければいけないだろう。4週間、イングランドのサポーターはロシアで楽しんだのだ」と書き綴った。 同紙は木曜日付けの紙面の読者のメッセージを公開した。 それには、「あなたたちは我々を笑顔にしてくれ、誇りを持たせてくれ、信じさせてくれた。あなた方の全員がヒーローだ。今回はトロフィーはないけれど、かつて全てのイングランド人が感じていたものがはじまるかのようだった。夕べはひどく苦しめられた。今朝は打ち砕かれている。しかし、サウスゲート、我々はあなたに敬礼する」と書かれていた。 また同じく英メディアのBBCは、「1966年以来のワールドカップ決勝進出をかけたイングランドは延長でクロアチアに敗れ辛く苦しい思いをした」という見出しで報じた。 この試合を振り返り「イングランドは、彼らの手からチャンスが滑り落ちるのを許してしまい、クロアチアに自信をつけさせてしまった。イングランドはハーフタイムの後で勢いを失い、ペリシッチがカイル・ウォーカーの前でアスレチックなフィニッシュをするのを許してしまった。クロアチアは、モドリッチが編曲家となり、主導権を握り、それと同時にイングランドの力は失われていった」などと伝えた。 元イングランド代表のリオ・ファーディナンドは、「経験が今日の試合を物語っている」と、この試合の敗因を若手で臨んだイングランドの経験不足だと指摘した。 それでも、ファーディナンドは、「今はイングランドのあら探しをする時ではない。彼らは国をひとつにしてくれ、長い間、遠ざかっていた心地よさをファンは味わうことができた。このチームが、アイデンティティとプレーの哲学を表してくれることを望んでいたが、彼らは、それを成し遂げてくれた」と、高い評価を与えた。さらにトリッピアーやGKのピックフォードの名前を挙げて「トリッピアーのボール運びは素晴らしかった。当初、ジョーダン・ピックフォードには疑問を持っていたが、彼を選んだのは最善の選択だった。我々は経験のない、若い選手たちのチームであったが、彼らは成長しているし、これからも続くだろう」と4年後のカタール大会への期待を寄せた。