税務調査官「トイレを貸してもらえますか?」の真意…税務調査で“デキる調査官”が確認してくる〈6つのポイント〉
大企業の税務調査の場合、「3~4日」かかるケースも
4.調査当日 指定された日に税務調査が行われます。個人事業や小規模なビジネスでは、調査にかかる日数は通常1~2日程度ですが、規模の大きな企業の場合は、調査が3~4日間にわたることもケースも少なくありません。 また、顧問税理士がいる場合、専門的な質問に対しては税理士が対応することが一般的です。しかし、取引内容などに関する質問には企業自身が直接回答する必要がある場面も出てくることがあるので、当日慌てずに回答ができるようにしっかりと準備をしておきましょう。 5.指摘事項の回答 税務調査後は、税務署から追加で質問が来たり、さらに資料の提出を求められたりすることがあります。税務署からの指摘事項については、できるだけ早く対応することが重要です。 その後、税務署からの指摘に対して回答を行ったり、必要に応じて交渉を進めたりするケースもあります。また、指摘事項の対応については、顧問税理士が行うのが一般的です。 6.税務調査の結果通知 調査結果に基づき、税務署から税務調査の通知が届きます。具体的に、税務調査の結果は、以下の3つのいずれかになります。 ・申告是認:申告内容が正確で、特に問題がないと認められるケース ・修正申告:税務署からの指摘を受け入れ、企業が自主的に内容を修正して再申告するケース ・更正:納税者が修正申告を行わなかった場合に、税務署が自ら誤りを修正して課税処分を行うケース 申告是認に至らなかった場合、基本的には修正申告を行うことが求められます。 しかし、税務署の指摘に納得できない場合、修正申告をせずに税務署による更正を待つことも可能です。その場合、延滞税や過少申告加算税などが発生するリスクがあるので、対応については顧問税理士と慎重に検討するようにしましょう。
税務調査で確認される「6つ」のポイント
税務調査で確認されるポイントについては、以下の6つが挙げられます。 ・売上や仕入金額 ・期ズレ ・損金の振り分け ・領収書 ・人件費 ・修繕費 それぞれの項目について解説していきます。 1.売上や仕入金額 売上や仕入れ金額は、税務調査で重要な確認項目のひとつです。調査官は、売上の計上に漏れや誤りがないかを確認するため、主に預金口座の動きと帳簿や決算書の内容が一致しているかどうかを細かくチェックします。 また、税負担を減らすために、仕入金額を実際よりも多く申告する不正が行われるケースも多くあるので、税務調査官は仕入の額が正確に計上されているか、特に売上との整合性を重視します。 さらに、前年と比較して売上や仕入金額に大きな変動があった場合、その理由を問われることが多いので、合理的で分かりやすい説明ができるように準備を整えておくことが大切です。 2.期ズレ 納税額に影響を与える可能性があるので、税務調査で重要なチェックポイントとなります。期ズレとは、通常の事業年度とは異なる期間に売上や費用を計上してしまうことを指します。 基本的に、記帳は取引が実際に発生した時点で行う「発生主義」に基づいて行うのが一般的です。特に事業年度の前後での取引は慎重に扱い、正確に計上することが求められます。 3.損金の振り分け 会計上では損金として計上できるものでも、税務上では認められないケースもあるので、損金に該当するかどうか、正確に計算されているかが確認されやすい項目になります。 損金とは、法人税法において、企業が持つ資産が減少する際に生じる費用や経費、損失を指します。損金として扱われない例としては、過剰な役員報酬や法定限度を超えた接待交際費、寄付金などが挙げられます。
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