ゲームコーディネーターが振り返る第3回ジャパンウィンターリーグ(JWL)
NPBから来た選手たちへの配慮
今回も、MLB、NPB、独立リーグなどからスカウトが来ていた。JWLはトライアウトリーグだから、選手にアピールさせる機会も作らないといけないのだ。 「NPBから派遣された選手は、事前に各球団と打ち合わせをして、この選手はこういう起用をしてとか、このピッチャーは怪我明けだから登板間隔を空けてほしいとか、そういう希望を事前に確認した上でラインナップやピッチングのローテーションを作っていました。そういう部分も気を使いましたね」
怪我、故障をした選手はいたか? 「何人か怪我人は出ました。足首をひねったり、鍵盤を部分損傷した選手がいました。筋肉系の怪我がちょっと多かったかなとは思いますけど、NPBから派遣された選手は、ここまで大きな怪我、故障は出ていません」 第1回のときは大きなケガをした選手が出たが? 「今年は、その点は良かったです。怪我をした選手が、すぐに出たいと言ってきたんですが、今回は野手に関しては人数が足りていたので、ちゃんと休んでから出場しようよ、と言いました。 足を痛めて全力で走れないときに試合に出たら、その様子がフォーカスされてしまう。スカウトなどもそれを見て評価してしまうから、そうではなくてしっかり治してプレーできる状態まで戻してからやりましょうという話を各チームの選手に話しました」
多くの選手は「毎日試合をする」という経験がないので、疲労感が相当たまると思うが 「今年は、選手数が増えてフル出場をする機会が去年よりかは少なくなっているので、去年ほどの疲れはないかなと思います。 とはいえ、1日3試合を消化すると言う、今年のスケジュールは、去年よりハードになっているので、選手たちの疲労が見えたことももちろんありました。 レベルの高いパフォーマンスを毎日継続する難しさを、選手個人も感じていたのではないかと思います」
問題点も見えてきた
坂梨さん自身、選手指導の手ごたえは感じていたか? 「僕は今年3試合とも丸々入っていたので、裏で練習をしてた人がどれぐらいいたのかが把握できなかったんです。それが少し残念ですが、トライアウトリーグに関しては、フランスから来てた投手、野手の2名の成長が目立ちましたね。投手の方は試合を重ねるごとに投球内容も良くなりましたし、野手も聞いていた話では守備もまともにできないし、打撃もいまいちという話だったんですが、試合を重ねるごとにだんだんパフォーマンスが良くなっていって、ちょっと僕もびっくりするぐらい進化しました。 この選手たちに限らず、やはり野球選手は試合に出ることで、どんどん最初の印象が変わっていきますね」 野球オーストリア代表として坂梨監督の今年はどんなシーズンだった? 「オーストリアでは、U23とフルの代表監督をしているのですが、両方ともヨーロッパ選手権の出場資格がなくなって予選を戦って本戦に戻るという1年になりました。なんとか無事に両方とも優勝することができて、来年、また再びヨーロッパ選手権の本戦でチェコなどと戦うことになります。 ジャパンウィンターリーグには、去年も今年も5名、U23の選手たちを連れてきているんですが、去年来ていた選手の1人なんかは、もう少し体作りをすれば日本でも通用するレベルでした。彼らもいろいろ学んでくれるでしょう」