じつはかつて「売り上げ低迷」で生産終了に追い込まれた国民的お菓子「ブラックサンダー」が「奇跡の復活」を遂げたワケ
もしかしたら「ブラックレンジャー」に!?
今でこそなじみがある「ブラックサンダー」という名前ですが、商品の外から中まで真っ黒なことや、ココアビスケットが使用されていることから「ブラック」がついたのだそう。「サンダー」に関しては、もともと子どもたちが好む駄菓子として考えられたので、戦隊ものを意識しています。「サンダー」はなんだか強そうでカッコいい。そういうイメージです。でも他に「ブラックレンジャー」や「ブラックタイガー」という案も挙がっていたそう。もしかしたら「ブラックサンダー」ではなく、「ブラックレンジャー」になっていたかもしれません。
翌年には生産終了に追い込まれる
1994年に発売されたブラックサンダーですが、実は翌1995年には生産を終了しています。販売が一定量を満たさずに、生産効率が低いと判断されたからです。理由は2つあります。1つは、価格。チョコナッツスリーは20円、ブラックサンダーは30円だったので、ターゲットである子どもたちは30円は高いと感じてしまったのです。大人からすればたった10円ですが、当時の子どもたちにとって10円の差は大きかったのです。 2つ目はパッケージです。当時は「BLACK THUNDER」と英語表記だったので、子どもたちに商品がうまく伝わっていませんでした。チョコレート菓子であることがわかりにくいので、子どもたちに手に取ってもらいづらかったのです。 このような理由から販売が低迷し、ブラックサンダーの生産が終了に追い込まれてしまいました。
ブラックサンダーはどうやって復活した?
1995年に生産を終了したブラックサンダーですが、復活をしているのは今の状況から明らか。復活を願い動いたのは、九州の営業担当だった1人の社員でした。当時の専務に何回も再販を直談判をしたため、専務が「そこまで言うなら残っている材料の分だけ」として、再販売を決定しました。1人の思いがブラックサンダーを復活させるに至り、結果的に今のブラックサンダーを導いたともいえるのでしょう。 復活したブラックサンダーは、とある売り場で人気商品になりました。それが大学生協です。ブラックサンダーが生産終了になった原因は、30円という価格です。チョコナッツスリーの20円よりも10円高かったことで、子どもたちがあまり手に取ってくれなかったのです。でも大学生からすれば30円であの美味しいチョコレート菓子が買えるなら安いという感覚になるもの。大学生にとっては安くて美味しいお菓子として定着したのです。 そして販路はスーパーや大学生協だけではなく、コンビニや100円ショップへと広がっていき、現在に至ります。
【関連記事】
- 【つづきを読む】「累計17億本」売れた、誰もが良く知る「国民的チョコレート菓子」…じつは少しずつ「微妙な変化」を続けていた!
- 「ピュレグミ」「金のミルク」「マロッシュ」…10年ごとにヒットを生み出す「カンロ」が、ここにきて「過去最高売り上げ」を達成していた!
- 「あまりにも意外な味」で大バズり…じつはいま右肩上がりに売れている「胡麻どうふ」、5年前に「すごい革命」が起きていた…!
- 伝説級のヒット商品「牛乳と卵のエクレア」を生み出した老舗企業がロングセラー商品を連発できるワケ
- 「誰がお金を出してまで氷を買うのか?」と苦戦したが、いまや家庭の必需品…人気商品「ロックアイス」の「過去10年の販売袋数」が衝撃の数字だった!