神戸新聞杯はここ3年波乱続き 今年も主役不在で穴党記者推奨の伏兵2頭に妙味あり
前走後は、放牧に出してリフレッシュも完了。復帰後は栗東坂路とCWを併用し、丹念に乗り込んできました。そして1週前追い切りでは、神戸新聞杯で手綱を取る松山弘平騎手を背に3勝クラスの僚馬と併せて、6ハロン80秒9-1ハロン11秒3とシャープな伸び脚を見せてきっちり先着しました。 500kgを超える馬体にも、ここにきて芯が入ってきた印象。春から、一段と進化を遂げています。今なら、重賞初挑戦でもチャンスが十分にあると見ています」 大西記者が推奨するもう1頭は、春にはGI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)へと駒を進めたショウナンラプンタ(牡3歳)だ。 「ダービーでは15着と惨敗を喫しましたが、それはその前走のGII青葉賞(2着。4月27日/東京・芝2400m)で目いっぱいの競馬をした直後だったこと、さらに17番枠を引いてしまったことが災いした、と見るのが自然でしょう。つまり、敗因は明確です。 その後は山元トレセンへ放牧に出して、しっかりと春の疲れを癒してから栗東へ帰還。坂路を中心に、しっかりと調整を積んできて態勢は万全です。 2歳時のGIホープフルS(中山・芝2000m)7着以来だった3走前の1勝クラス・ゆきやなぎ賞(3月9日/阪神・芝2400m)で勝っているように、休み明けも苦にしないタイプ。口向きに難しいところがありますが、そこはデビューから全6戦でコンビを組んできた鮫島克駿騎手なら心得ているでしょうし、同馬の持ち味をしっかりと引き出してくれるはずです。 キャリア初の中京コースとなりますが、同じ左回りの青葉賞で良血馬シュガークンからアタマ差2着と好走した走りが再現できれば、まったく問題ありません。ダービーの大敗で人気を落とすようなら、積極的に狙ってみたい1頭です」 確たる主役が不在の伝統の一戦。混戦を断って高配当をもたらすのはどの馬か。ここに挙げた2頭がその大役を果たしてもおかしくない。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu