マンガ司書・みさき絵美さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊「1話1話が観劇したような充実感」
みさき絵美さんの「マンガを読むときのマイルール」
「いつでもどこでも! が、むしろマイルールかも。気になる作品は、何はともあれすぐページをめくりたくなります。にぎやかなカフェでも、ひっそりとした深夜でも、すぐに面白さに浸れるのって嬉しいです」
青田買いした注目の新人作家の作品は?
◆『思春期姉弟』みそくろ/ワニブックス 思春期を迎えた中学校2年生の男女双子、日野陽介とみかげを軸に描く青春コメディ。 「双子の中学生姉弟の身体と心の成長をめぐるドタバタは、気恥ずかしくもコミカルで楽しい。そして人を好きになること、本能とは? に向き合う様子は、思春期をとっくに過ぎた大人にも、なんだか繋がっているように感じられる」
食欲の秋に読みたいグルメマンガは?
◆『パンが焦げてもふたりなら』たな/オレンジページ 主人公は気遣い屋で心配性のはーさんと楽天家でややうっかりのひーさん。キッチンでの何気ないやりとりを覗く、ふたり暮らしのおいしい物語。 「おにぎりや鯛焼きといった、身近な食べ物のおいしさを確かに描写する見事さと、おいしいものを食べて暮らしていくふたりの姿が穏やかで温かい。1冊にまとまるのを楽しみに待っていました!」
2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?
◆『貼りまわれ! こいぬ』うかうか/秋田書店 食いしん坊で真面目な主犬公、こいぬ。ある日、会社が倒産したと告げられ、途方に暮れていると不思議な求犬広告を見つけ……。 「ちんまりした目の犬たちには愛らしさと可笑しみが同居している。かわいいうえに、読んだらすっぱり犬の世界に連れていってくれる。現実のいろんなあれこれはさておき、思わず笑ってしまうひとときを作れる、実は力強い作品だと思っています」 マンガ司書 みさき絵美(みさき・えみ)さん 公共図書館、マンガ専門図書館の司書を経て、現在はマンガのアーカイブに取り組んでいる。 発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024 眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
大嶋律子(Giraffe)