「ブラックペアン シーズン2」伊與田Pが語る二宮和也への厚い信頼 別人役は「二宮さんじゃなかったら踏み出せなかったかもしれない」【インタビュー前編】
【モデルプレス=2024/08/16】二宮和也が主演を務めるTBS系日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(毎週日曜よる9時~)。18日放送の第6話を前に、同作を手掛ける伊與田英徳プロデューサーがモデルプレスら報道陣の取材に応じ、前作から役を変更した意図や、キャスト陣の裏話を語った。<伊與田英徳Pインタビュー前編> 【写真】「ブラックペアン2」オペシーンに「VIVANT」俳優登場 ◆二宮和也主演「ブラックペアン シーズン2」 海堂尊氏の小説「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)を映像化した本作。2018年4月期に二宮主演で放送された同枠「ブラックペアン」の続編で、シーズン1から6年後の物語を描く。 本作で二宮が演じるのは、シーズン1の天才的な手技(縫合技術)を持つ外科医・渡海征司郎ではなく、人も金をももてあそぶ悪魔な世界的天才外科医・天城雪彦という新たな役となる。 ◆伊與田英徳Pが感じた二宮和也の凄み シーズン1放送から約6年が経ち、満を持して迎えた本作。主演の二宮が前作から進化したところを聞かれた伊與田Pは「元々進化しているからね(笑)」と前置きした上で「別人格を普通に、飄々と演じていらっしゃる感じはすごいなと思います。彼を見ていると“渡海”という感じが全くしなく、天城と一緒にいるような感覚でいられます」と新たな役を違和感なく演じている凄みを語った。 今回の続編制作にあたり、こだわったポイントを尋ねられると「続編なので、今まで観ていただいて、それを楽しみにしていただいている方もいらっしゃるだろうなと思っているし、キャストの皆さんのほとんどが前作から出ていただいている中、そのキャラクターたちが過ごした月日の中に天城という全く新しいキャラクターが入ってくることで、昔からの馴染みのところに新しいものが入ってくるような、懐かしさと同時に全く新しいものが同居するという面白い化学反応が起きるといいなと思ってやらせていただいています」と話した。 ◆主人公を渡海から天城に変更した意図 シーズン2において、やはり肝となるのは、二宮の役が渡海から天城という新たなキャラクターになったこと。人物を変更した意図について伊與田Pは「原作者の海堂先生から『やってみたらどう?』というご提案をいただいて『そんなことができるのか!?』と一瞬思いつつ、ちょっと面白そうだなとチャレンジしてみました」と説明。 「でも、もしこれが二宮さんじゃなかったら踏み出せなかったかもしれないです。二宮さんだったら、渡海とは別人である新しいキャラクターを上手く演じてもらえるんじゃないかと思い、やらせていただきました」と二宮だからこその新たな化学反応を期待。「渡海先生は原作通り、本来ならシーズン2の話には出てこないので、その中で天城というまたとんでもないお医者さんのキャラクターが出てきて、それを同じ二宮さんがやったら面白いなと思ったし、これから後半に向けて、渡海もきっと…出てくるでしょう、あの匂わせた予告を作ったのですから(笑)! だからその辺りの兼ね合いや、原作にない面白さも楽しみにしていただけたら嬉しいです」と魅力を伝えた。 なお原作では、渡海と天城は全くの別人であり、“瓜二つ”という設定はドラマオリジナルとなる。これは海堂氏自らの提案であるとし「シーズン1の打ち上げの時に『すごく良かった』という風に褒めていただいて海堂先生が今回の原作を紹介してくれました。もちろん私も原作を読んでいたのですが、『天城のキャラクターをやってみたらどう?』と先生から提案いただいきました。原作の先生からそう言っていただけたのは大変光栄なことですね」と回顧した。 ◆二宮和也、クラシック・衣装・髪色…本人のアイデア詰まったこだわりとは そんな天城のキャラクター像について「基本的には、原作の持っている天城雪彦という役をまずイメージして、それを二宮さんがアレンジしていく中で髪型・服装から喋り方まで1個1個、二宮さん自身からもアイデアがあって、こちらからも監督と一緒に相談したものを提案して、脚本家がまとめて書いたものを、監督が最後撮影時にどう料理するのか…そんな風に皆で相談しながらやらせていただきました」と明かした。 二宮が“天城クラシックタイム”と呼ぶオペシーンで流れるクラシックも、二宮本人のアイデアだ。伊與田Pは「二宮さんから『こんな音楽ってあり?』みたいな提案を受け、コミュニケーションを重ねながら話していく中で、面白いなと思った曲を使わせていただきました」とし、「本格的なクラシックもあれば、現代風にアレンジしたものまで、二宮さんが色々詳しいんです。天城が部屋にオーディオなどを置いていたりするので、もしかしたらそこからインスピレーションを受けたのかもしれないし、全く関係なしに考えたのかもしれないですよね」と想像を膨らませた。 さらに、天城のルックスにもこだわりが多数。「天城は、自分の出で立ちや趣味を楽しんだ上で、仕事もしっかりやるところが、逆にかっこいい。その1つの象徴として、着ている服にもちゃんとこだわっているキャラクターがいいなと、衣装さんや二宮さんと話しました。それこそ、天城が新病院の建物において、中身だけでなく見た目にもしっかりこだわっているところが、日本人的な感覚ではあまりなく、また違った目線の人で面白いと思います。髪も『髪の毛染めてる暇があったら勉強しろよ!』と思うかもしれませんが、それはやっぱり1つの生き方として示すためにそうしています」と紹介した。 ◆「ブラックペアン」渡海・天城の手術シーンの違い 本作では、天城による華麗なオペシーンも見どころの1つ。そんなオペシーンにて1つだけシーズン1と異なる部分があるという。「渡海先生は誰かが失敗してからオペをやりに来るんですよ。天城先生にもそういった時はあるのですが、基本は最初から一緒に入ってくれるので、その辺のアプローチの仕方が手術としては違ってきます」と告白。また、天城の決めセリフである「心臓は美しい」も「実際そう思って演じていただいていますし、造形の作りもひっくるめ、美しいと思えるような心臓の映し方を、監督から、美術スタッフ、カメラマンらまで、皆さんと試行錯誤しながら作っています」と話した。 また二宮といえば、現場で台本を覚えるようなことは一切なくほぼアドリブで演じているという逸話も。これについて伊與田Pは「“かましてやろう!”っていうアドリブではなく、自然に出てくるアドリブはあったりします。現場的にもアドリブNGであったり、逆に必ずアドリブをしようという雰囲気ではなく、自然に出てくるアドリブをそのままお芝居として楽しんでいます」という。 ◆キム・ムジュンは“弟的存在” 二宮和也ら現場裏話 そして、本作の多くのキャストがシーズン1より続投となるため、顔馴染みのあるキャストも多くアットホームな現場に。伊與田Pは「久々に会ったという感じではなく、ずっと一緒にこの東城大にいたんじゃないかと思わせられるようなチーム感でした。内野(聖陽)さんと二宮さんはドラマ以外で会っていないため、シーズン1ぶりに久々に会ったそうで『あれ以来ですね』と言いながらも、役としてはもちろん、役者の先輩後輩としての関係性も続いている感じが微笑ましかったです。私も居心地が良い空気の中で楽しくやらせていただいています」とコメント。 また本作より新キャストとして加わった韓国俳優のキム・ムジュンについて「ムジュンくんが人懐っこくて、二宮さんたちもまるで本当に弟ができたような感じで、一緒に楽しそうにお話しているのは、見ていて微笑ましいです。特にムジュンくんは、日本語をしっかり勉強してきていて、オーディションの時にも既に勉強されていましたが、さらに日本のことを学ぼうとしています。たまにお仕事で韓国に戻ってから日本に帰ってくると、皆にお土産を買ってきてくださります」とムジュンの努力と温かい人柄が伝わるエピソードを明かした。 ◆二宮和也・竹内涼真・葵わかならの進化 最後に、シーズン1から6年という長い期間が空いたが、伊與田Pはこの長い期間を逆手に取り魅力を力説した。「すぐにパート2ができていたら、同じようなことが繰り返されている印象になっていたかもしれません。6年経っているからこそ、それぞれのキャラクターが感じることが少し違っていて、世良(竹内涼真)は自分で手術ができるようになったらからこそ、美和(葵わかな)も自分がちゃんと器械出しなどをできるようになったからこそ分かることがあって。佐伯先生(内野聖陽)は院長になって、全体を見据えなきゃいけない立場になったからこそ分かることなど、グレードが変わることで見方が変わっていくので、そういった部分も楽しんでいただけるようになったところが良かったと思います。医療ものなので、命の大切さという点は両作における普遍的なテーマではありますが、1個フェーズが違うというか、違った角度の見方ができるように、味付けが少し変わっているところは見どころの1つだと思います」。 加えて、キャスト陣については「二宮さんは元からトップスターで、当時から芝居もしっかりされていましたが、それを維持しながら熟練味が帯びているなと感じました。竹内くん、わかなちゃんは、明らかに6年前と違いますね。もちろん、あの頃もしっかりしていたけれど、大人の役者さんに成長した風格というか、芝居の持っていき方も見ていて面白いです。前は勢いで演じて可愛いなと思いながら見ていたのが、しっかり生きてるねという風に見受けられるところはすごいなと思いました」と各俳優の成長をしみじみと語った。(modelpress編集部) ◆「ブラックペアン シーズン2」第6話あらすじ 維新大の菅井(段田安則)は、日本一の自動車メーカー・ウエスギモータースの上杉会長(堺正章)のオペを成功させることで医学会会長選に向けて巻き返しを狙っていた。 オペの鍵となるのが、エルカノを進化させた最新医療ロボットのエルカノ・ダーウィン。東城大の高階(小泉孝太郎)の協力を得て維新大の医師・早川玲子(瀧内公美)が開発したものだ。 ダイレクト・アナストモーシスが必要な状態の上杉に“世界一の医者である”エルカノ・ダーウィンを使ったオペを提案する菅井だが、上杉からはそれを操縦する医者も世界一を用意しろと言われる。そして、そこに現れたのは天城(二宮和也)だった。 実は、菅井は上杉のオペの前にダイレクト・アナストモーシスをエルカノ・ダーウィンに学習させるため、天城に臨床試験のオペを依頼しており、天城は上杉会長の莫大な総資産額を聞き、それを了承していたのだ。 臨床試験を前に菅井らと東城大にやって来た玲子は、猫田(趣里)と遭遇。実は猫田は8年前まで維新大の看護師で、ある事件を起こし退職していたのだった。その事件が玲子によって掘り返されることに。 さらに臨床試験当日、臨床試験の患者の状態を見た天城が突然オペの中止を発表。そんな中、玲子が胸を押さえ倒れ込み…。 【Not Sponsored 記事】
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