《ススキノ首切り事件》ここへきて瑠奈被告が「無罪」になる可能性…2回目の精神鑑定が決定、弁護側の「意図」とは
瑠奈被告が無罪になる可能性は
「瑠奈被告の裁判員裁判は『刑事責任能力の有無』が争点となるとみられています。札幌地検は起訴前におよそ半年の鑑定留置を行い、『刑事責任を問える』と判断していました。弁護側としては、今回の新たに行われる精神鑑定の結果を元に、弁護側は事件当時の瑠奈被告の責任能力を争い、刑事責任を問うことはできない、または、刑の減軽を主張する意図があるのではないでしょうか」 果たして瑠奈被告が無罪になる可能性はあるのだろうか。 刑事裁判に詳しい元検事で、弁護士法人Authense法律事務所の高橋麻理弁護士に聞いた。 「刑事事件で起訴前に行われている精神鑑定とは別に、新たに精神鑑定が行われることは一般的にもあることです。検察側は、起訴前に行われた精神鑑定を踏まえて刑事責任を問えると判断して起訴しました。弁護側としては、責任能力を争う根拠となる鑑定結果を期待しているものと考えます」 瑠奈被告の場合、事件当時の精神疾患の状態や、事件に与えた精神的な影響の程度などが審理を左右するカギになるという。 「刑事事件の精神鑑定では、必要かつ十分な判断材料が重要になります。犯行態様や犯行動機に関する証拠が提出される必要があるのみならず、犯行当時の日常生活における被告人の言動については被告人の家族や日常的にかかわりのあった人たちから聴取して精神鑑定の判断材料とする必要があるでしょう。 この点において、瑠奈被告の日常生活における言動を明らかにするための判断材料として、修被告、浩子被告の供述も重要になってきます。もっとも、修被告、浩子被告らの供述に関しては、このたびの事件に両名が何らかの形で関わった可能性があること、一般的には、親子間では、親が子の刑事責任を軽減すべく供述する可能性があるといえることなどの事情に鑑みると、判断材料として考慮するにあたっては、その信用性等評価を慎重に行う必要もあるのだと考えます」(高橋弁護士、以下「」も) さらに2回目の精神鑑定が決定されたことで、瑠奈被告の初公判まではより長い時間を有することになる。