“セクシー女優”を取材しまくる44歳女性。「前職や過去の経験」をライターとして強みに変えて
仕事を獲得するために「可能な限り多くの人と会うようにしてきた」
1年間ほど並行していたライター業が軌道に乗った頃、勤めていた会社が自宅から遠い場所に移転することに。そこで退職を決心し、フリーランスのライターとして専念することになったのだ。 こうして独立することになったが、どのようにして仕事を増やしていったのだろうか? 「過去の“繋がり”から頂いたお仕事ばかりでしたね。当時はmixiで毎日のように日記を書いていたんです。飲み会や仕事で知り合った人たちがその文章を読んで『面白いよ』と言ってくれていたので、『フリーランスのライターになります』と宣言をした際に『じゃあ、うちで書かない?』って流れですね」 ライターとしての仕事は過去の繋がり=アダルト系ジャンルである。ギャラは決して高額ではないそうだが、金額面は気にせず、可能なものは受けるようにしていたそうだ。 とはいえ、ライターの仕事で生活するためには、量を獲得する必要がある。 「フットワークを軽く、可能な限り多くの人と会うようにしてきました。飲みの席に誘われたら絶対に行くし、『こういう仕事でアシスタントを募集している』と聞けば、やるようにしていました。人を紹介してほしいと言われたら、連絡先を繋げて終わりじゃなくて、2人が対面する場面にも立ち合うようにもしていました。そうすれば、さらにご縁が広がるから」 そのうち、繋がりがどんどんと広がり、仕事が増えていったという。そんな繋がりが、あとになってプラスに働くことも。 「たとえば、よく行っていた立ち飲み屋さんには多くの若手芸人さんがアルバイトしていたのですが、途中で芸人を諦めて実業家になった方も多くて。アダルト系ジャンルの媒体や仕事の場合、相手から掲載を嫌がられてしまうこともあるのですが、その実業家の方がやっている店などは、いまでも取材先として協力してもらっていますね。これも今まで出会った人たちとの繋がりを大切にしてきたおかげかなって」 ここまで話を聞いていると、もちづきさんは常に先を見据えて行動してきたように感じるが、本人は「そんなに計算していたわけではないんですけど……」と話す。 ライターとして「自分の強みがわからない」という人は少なくないかもしれないが、今まで自分が歩んできたキャリアを大切に。すぐに何かに役立つようなスキルを学ぶことだけではなく、遠回りに思えても地道な努力を続けることこそが、いつか“強み”にもなるのかもしれない。 <取材・文/松本果歩、編集・撮影/藤井厚年> ―[“取材ライター”で文字単価を10倍稼ぐ方法。プロが本気で教えます]―
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