“セクシー女優”を取材しまくる44歳女性。「前職や過去の経験」をライターとして強みに変えて
無意識に抱えていた「男性への復讐心」
「アダルト業界の関係者と会う機会が多い環境で、徐々にAVの仕事も担当するようになったんです。当時は24歳くらいだったので抵抗感はありましたが、それよりも『生活していくために稼ぐ』という気持ちが上回っていたんです」 しかしながら、アダルト系ジャンルの仕事がこなせた理由について、最近になって気づいたことがあるという。 「私は学生時代に男性からルッキズム的ないじめを受けることが多かったので、男性に対して復讐心みたいなものがあったのかなって。 男性って、結局はAVで処理するじゃないですか。だから自分を馬鹿にしていた男たちが、私が制作に関わったもので抜いているって想像することで、遠回しに“仕返ししている”みたいな。まあ、当時は完全に無意識だったんですけど」 そんな無意識の復讐心もあったのか、4年ほどAVメーカーで広報を担当。しかしAVは2007年頃に盤から配信へ移行。時代は確実に変化していた。 もちづきさんは「AVとは違うアダルト業界も見てみたほうがいいかもしれない」と考えるようになった……。
「これからの時代はWebが来る!」ライターになることを見据えて…
「2000年代、すでに『これからの時代はWebが来る!』と言われていたのですが、とある広告代理店が自社サイト(今っぽく言えばオウンドメディア)の編集部を立ち上げるため、人員の募集をしていたのを見つけたんです。そのサイトは派遣型風俗店を紹介するサイトで、自分の経験を活かせるとも思いました」 店に代わって在籍する女性のプロフィールを書いたり、グラビア撮影や体験動画を撮ったり、もちづきさんは「アダルト」という共通点で活躍することができた。途中から編集長にも抜擢され10年弱勤務するも、会社の経営状況が悪化したことから転職を余儀なくされた。 「その頃から、Webの経験を活かしてフリーランスでライターになろうと考えるようになりました。とはいえ、まだそれだけで食べていく自信がなかったので、軌道に乗るまでは保険があったほうがいいかなって。アダルトグッズの通販サイトの運営会社に社員として入って、編集を担当しましたね」 これまでの経歴に加えて、アダルトグッズの仕事も経験すれば、コネクションが増える。その後のライター業にも活きるのではないかという心算もあったとか。