「膀胱炎はロキソニンで治療できる」は違う? 市販薬の注意点や医療機関の受診について【薬剤師監修】
「膀胱炎にロキソニン」を服用しても症状緩和はできるが治癒はできない! ほかの市販薬でも完治はできない?
編集部: ロキソニンは膀胱炎に効きますか? 速水さん: ロキソニンは、あくまで膀胱炎のときに起きる排尿痛の症状を和らげるだけで、根本治療にはなりません。膀胱炎かな? と思ったらタイミングをみて、医療機関を受診したほうがいいでしょう。そして、排尿痛が辛いからといってむやみにロキソニンを飲むことは危険です。表面的に状態は良くなったように見えるかもしれませんが、水面下で病気は進行し、気づいたときには時遅かったという事態にもなりかねません。 編集部: 膀胱炎は医療機関を受診しないといけないですか? 速水さん: はい、医療機関を受診してほしいポイントは二つあります。ひとつめは、病院で何が原因で膀胱炎になったかを探ることが重要であるためです。症状が軽いうちは何日か様子を見てもいいですが、改善しない場合はなるべく早めに医療機関を受診したほうが良いでしょう。膀胱炎のうち、大半が単純性(急性)膀胱炎の場合が多いですが、菌が確定したらすぐ処方された抗生物質を飲むことが大切です。 編集部: もうひとつのポイントは何でしょうか? 速水さん: ふたつめは、医師から処方された抗生物質をしっかりと飲み切ることです。症状が良くなってきて、もう薬を飲まなくてもいいかな? と思っても、まだ体内に菌が残っている可能性があります。医師から処方された抗生物質は基本的に飲みきるのが原則です。 編集部: 市販薬を使う場合、どのようなものを選ぶのが良いですか? 速水さん: 膀胱炎の症状がまだ軽いうちなら、市販の漢方で治る可能性はあります。具体的には、腎仙散(じんせんさん)、猪苓湯(ちょれいとう)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などが挙げられます。ですが、市販薬には抗生物質はありません。市販薬のほとんどは生薬由来でできたもので、体液の循環を改善する・利尿作用がある成分が含まれている薬が多くなります。この利尿作用により、体の中にある菌を外へ押し出すため、症状が良くなります。また、市販薬を数日間使っても症状が良くならない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。