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ポップカルチャーの未来、フランスからやってきたMoe Shopの躍進

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
Photo by Moe Shop

音楽シーンの新しい兆候だ。世界のクラブシーンやゲーム業界から支持されるフランス出身のプロデューサー/DJとして活躍するMoe Shopをご存知だろうか。まだ20代になったばかりの端正なフェイスも魅力的な彼。

ティーンの頃にアニメーションを通じて日本のポップカルチャーに目覚め、フレンチ・エレクトロやフューチャー・ファンクを織り交ぜたオリジナル楽曲によって確固たる地位を確立。これまで、年間のYouTube再生数1,000万、Spotifyで1,300万再生を誇る新しい才能だ。

2020年、Moe Shop の活動が加速する。

3月6日にリリースした最新曲「WWW (feat. エドガー・サリヴァン)」では、2人組ポップユニット、エドガー・サリヴァンをフィーチャリング。ヴォーカルにキュートな歌声が虹色に輝く佐々木萌を迎え、坂本遥によるパワフルなギターが映えるダンサブルなアッパーチューンに仕上がった。

本作は、音楽ストリーミングサービスSpotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』(3月10日〜16日)でもTOPカバーを飾っていた。

ジャケット・アートワークはネット世代を代表するクリエイターGraphersRockが手がけ、アーティスト写真ではMoe Shop初の(少しだけ)顔出し作品となっている。

さらにTiKTokで絶大な人気を誇るモデル兼動画クリエイター、ねおのアーティスト・デビュー曲「プチアガール」へ、フィーチャリング参加していることにも注目したい。本作は、3月17日にワーナーミュージック・ジャパン内の新レーベル“etichetta”よりリリースされたばかりだ。

なぜ、Moe Shopは日本のポップカルチャーに惹かれ今に至るのか? 話を訊いてみた。

<Moe Shop独占インタビュー>

――日本のポップカルチャーにハマったきっかけは?

Moe Shop:2013年ぐらいに日本のアニメーションをみはじめて、そこで刺激や気付きを得た後にMoe Shopというカルチャー・プロジェクトをスタートしました。アニメは『けいおん!』の影響が大きかったですね。

――フランスのポップカルチャーと日本のポップカルチャーの違いをどう考えている?

Moe Shop:フランスでは、エド・バンガー・レコーズ(ダフトパンクのマネージャー、ペドロ・ウィンターが設立)からの音楽的な影響が大きかったですね。ダフトパンクからは、映像だったりヴィジュアル面からの影響も受けました。彼らはアニメーションのミュージックビデオを作っていたので。

――なぜ、ミュージシャンの道へ?

Moe Shop:漫画家にずっとなりたかったんです。小さい頃から絵を描いていました。2011年ぐらいまでずっと描いてました。当時、プログラミングのソフトや音楽を作るソフトと出会って曲を作るようになりました。もともと、両親が音楽を聴いている家庭で、アース・ウインド & ファイアーなどファンクが家で鳴っていたんですよ。だんだんと友達もエドバンガー周辺の音楽やジャスティスを聴くようになって、エレクトロにハマっていきました。

――どんな経緯で日本で音楽活動をすることになったのですか?

Moe Shop:Moe Shopをはじめてからずっと引きこもり状態で音楽を作っていました(苦笑)。YouTubeなどネット上の活動から、日本のファンの方からブッキングのオファーをいただいたんです。日本で最初にDJしたのは渋谷のLOUNGE NEOでした。2016年の12月ですね。4日間、ショーのために来日しました。2017年から東京へはよく来るようになりました。そして、2019年に東京へ移住して1年になります。日本語がまだ不自由なので大変なんですけど、スマホがあれば移動などなんとかなりますね。テクノロジーのおかげです。

――2018年にリリースしたアルバム『Moe Moe』には、フィーチャリング・ヴォーカルにモニ子、YUC'e、TORIENA、Puniden(ぷにぷに電機)を迎えていますが、当時はフランスと日本で距離があったと思いますがいかにして制作をされたのですか?

Moe Shop:まずトラックを作って、自分が好きな方々へSNSやメールで連絡して作業していきました。英語でのやり取りでしたね。音楽なので、言葉の壁を超えたところでうまくやりとりは進んでいきました。

――今年の2月には、東京・新木場STUDIO COASTで開催された中田ヤスタカ主催の『東京ぴこぴこフェス』へも出演されていました。

Photo by Moe Shop
Photo by Moe Shop

Moe Shop:2016年の最初のライブの時から出演者であるYUC'eには出会っていたり、大体の参加者は知り合いだったので楽しくやらせていただきました。

――ちなみに、中田ヤスタカさんはどんな存在だったりするのですか?

Moe Shop:今となっては面白い優しい方なんですけど、振り返ってみると高校生の頃に僕はきゃりーぱみゅぱみゅやcapsule、Perfumeを聴いていたのでリスペクトですよね。影響も受けています。

――今回、3月6日にリリースしたMoe Shop新曲「WWW (feat. エドガー・サリヴァン)」は、国境やネットを越えていく感じがタイトルや作品でも表現されていました。

Moe Shop:エドガー・サリヴァンとは、ORESAMAのライブの時にはじめて会いました。「WWW (feat. エドガー・サリヴァン)」は、エドガー・サリヴァンのバンドセンスと、Moe Shopのダンスミュージックのセンスが融合したナンバーになったと思います。

――90’sセンスを感じさせる、GraphersRockによるアートワークも絶妙なポップ感で。

Moe Shop:楽曲のカラフルさやキャッチーさを表現してくれている素晴らしいアートワークだと思います。ぜひ、ストリーミングやダウンロードなど配信でチェックしてみてください!!!

Photo by Moe Shop
Photo by Moe Shop

Moe Shop ツイッター

https://twitter.com/korewamoe

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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