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吉田徹

吉田徹認証済み

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同志社大学政策学部教授

報告

見解皇室離脱したヘンリー王子が経済的に苦しいのは確かかもしれないが、ノーギャラであることに疑問を挟むべきではないだろう。「ノブレス・オブリージュ」(高貴なるものの義務)という言葉があるが、王室や貴族が果たすべきと期待されている役割はこうしたチャリティー行事などを通じて模範を示すことにあるからだ(日本を含むこうした古くからの考え方を紹介する良書として 君塚直隆『貴族とは何か ノブレス・オブリージュの光と影 』新潮選書をあげておきたい)。メディアも、ヘンリー王子の「下心」の有無を論じる余裕があるのであれば、むしろこのチャリティーイベントの意味やメッセージを伝えるべきだろう。その上で、王子がこの種の企画に相応しい人物なのかを判断すべきだ。

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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