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吉田徹

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同志社大学政策学部教授

報告

解説50日間弱の新政権不在にようやく終止符が打たれた。先週から各党・会派と協議を続けてきたマクロン大統領の念頭にあったのは、これから予算案が提出される中でいかに安定的な内閣を作るかにあった。バルニエ氏であれば、基本的に各党の了承が得られた、もしくは不信任案提出に至らない多数派の了承を得られたということだろう。 バルニエ氏は外相や農相を務め、長らく欧州委員会委員の地位にあった人物で、最近ではブレグジットに際しての交渉役にあった経験豊富な政治家だ。保守派の出身だが、イデオロギー色も薄く実務型の内閣といえる。 ただし本格政権を言い難いし、議会運営も依然として困難を極めるだろう。速ければ議会解散から1年を経て、再度下院選が行われる可能性も否定できない。

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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