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吉田徹

吉田徹認証済み

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同志社大学政策学部教授

報告

解説オリンピックを迎えて何も起こらないことの方が驚きだ。イエローベスト運動から昨年の暴動に至るまで、社会的不満は頂点に達している。フランス人の7割は「猜疑心」や「倦怠感」といった負の社会的感情にある、と意識調査で回答している一方、オリンピックに関心があるとする者は47%に過ぎない。華の都パリでお金をかけて浮かれている祭典を不満を持つものが相当いたとしても不思議ではない。 どれほど対策をしようとも、これからも、こうしたインシデントは多かれ少なかれ起こることだろう。これもまた、コロナ禍の東京オリンピックがそうであったように、オリンピックを迎えるような状況にない社会で決行することのリスクや負担なのだ。

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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