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吉田徹

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同志社大学政策学部教授

報告

解説下院選から約50日、オリンピックを挟んでようやく首相が任命された。ここまで手間取ったのも、ラディカルな公約から最大会派の左派・新人民戦線の首相候補を任命するわけにはいかず、他方で予算策定を控えて多数派の支持を集めることのできる人物を見つけなければならなかったからだ。単独では最大議席を持つ国民連合の了承を得てバルニエが決まったとされる。 ただ有権者が不満を持つのは避けられない。国民連合支持者は左派と中道の選挙協力で選挙が盗まれたと感じ、左派連合支持者は相対多数を獲得したのに首班指名されなかったからだ。結果として誰しもが不満を持った選挙の帰結で最も割を喰ったのはマクロン大統領ということになる。早ければ1年以内の下院選もあり得るだろう。 ちなみに記事中と違って、バルニエ氏は正式には共和党のリーダーではない。国民連合と選挙協力を結んで除名手続きがされたシオティという人物が法的にはまだ党首である。

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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