見解今回北朝鮮が発射した「火星19」は同じ固体燃料式ICBMである「火星18」と「共に運用することになる最終完結版ICBM」と位置付けられているため、新たな性能が付加されていると見られる。現時点では、飛翔距離が長くなったこと以外、性能の詳細は不明だが、多弾頭、または変則軌道の弾頭が搭載可能であることも考えられる。また、金正恩が9月に行った「国防工業企業所」を現地指導では、12軸24輪の新型発射車両が公開されたため、さらに新型・改良型の固体燃料式ICBMが登場する可能性がある。これらを考えると、北朝鮮は今後も様々な試験・訓練発射を行うと見られる。北朝鮮は2021年から「国防5ヵ年計画」を急ピッチで遂行しており、各種弾道・巡航ミサイルや偵察衛星システムの開発と運用化を進めている。北朝鮮の軍事的脅威は高まる一方であり、日米韓はこれに対して防衛力と連携を強化する必要がある。
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コメンテータープロフィール
長野県佐久市出身。専門は防衛政策・戦略・計画、安全保障、国際政治、交通政策。アトランティックカウンシル上席研究フェロー(米)、パシフィックフォーラム上席研究フェロー(米)などを兼任。オーストラリア国立大学アジア研究学部卒、同大大学院戦略防衛研究科修士課程修了(豪)、ニューサウスウェールズ大学大学院キャンベラ校人文社会研究科博士号取得(豪)。パシフィックフォーラム研究フェロー(米)、ムハマディア大学マラン校客員講師(尼)、釜山大学校経済通商大学国際学部客員教授(韓)、東京大学先端科学技術研究センター特任助教などを経て現職。
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