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山口亮

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東京国際大学国際戦略研究所准教授

報告

見解金正恩が指示した「臨戦態勢」は、実際の戦闘準備というより、韓国とは対話ではなく、軍事的手段でのみ諸問題を解決できないという「モードの切り替え」と言えよう。しかし、「金槌しか持っていなければ全ての問題が釘に見える」という英語の諺の様に、すべての問題に対しては軍事的手段を使うとなると、今後はさらに緊張が高まると見られる。最も懸念されるのは、地上ではなく、海上の境界線(北方限界線 NLL)だ。特に韓国の離島である「西海五島(白翎島・大青島・小青島・延坪島・隅島)付近では度々武力衝突や北朝鮮による攻撃が行われており、北朝鮮がとる措置によっては、緊張がさらに高まり、偶発的な衝突が起きる可能性がある。また、北朝鮮軍がロシア軍のウクライナ侵攻に関与しているという報道が事実であれば、北朝鮮軍の態勢と即応力に少なからずの影響が出ると思われる。

コメンテータープロフィール

山口亮

東京国際大学国際戦略研究所准教授

長野県佐久市出身。専門は防衛政策・戦略・計画、安全保障、国際政治、交通政策。アトランティックカウンシル上席研究フェロー(米)、パシフィックフォーラム上席研究フェロー(米)などを兼任。オーストラリア国立大学アジア研究学部卒、同大大学院戦略防衛研究科修士課程修了(豪)、ニューサウスウェールズ大学大学院キャンベラ校人文社会研究科博士号取得(豪)。パシフィックフォーラム研究フェロー(米)、ムハマディア大学マラン校客員講師(尼)、釜山大学校経済通商大学国際学部客員教授(韓)、東京大学先端科学技術研究センター特任助教などを経て現職。​

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