補足北朝鮮軍にとって、ウクライナ戦争への派兵を通じて実戦経験を得る機会とも言えるが、ロシア軍の指揮下で動く以上、肝心な戦争下での指揮統制や運営面で得られる経験とノウハウは限られる。一方で、派兵により、北朝鮮はロシアから兵器やC4ISRシステムなどの技術や運用法等をさらに引き出すと見られる。また、北朝鮮がロシア侵攻に派兵した部隊は特殊部隊出身とされているが、北朝鮮軍には特殊部隊がいくつかあり、練度もピンキリである。特に数年前までは、特殊部隊内でも、栄養失調やその他の健康問題が深刻で、強盗、暴力、汚職、情報漏洩等の規律違反問題も多発していた。 北朝鮮の派兵自体は東アジアの安全保障環境にそこまで影響しないが、見返りとして得られる技術などにより、北朝鮮の軍事的脅威が高まると見られるため、中止する必要がある。
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コメンテータープロフィール
長野県佐久市出身。専門は防衛政策・戦略・計画、安全保障、国際政治、交通政策。アトランティックカウンシル上席研究フェロー(米)、パシフィックフォーラム上席研究フェロー(米)などを兼任。オーストラリア国立大学アジア研究学部卒、同大大学院戦略防衛研究科修士課程修了(豪)、ニューサウスウェールズ大学大学院キャンベラ校人文社会研究科博士号取得(豪)。パシフィックフォーラム研究フェロー(米)、ムハマディア大学マラン校客員講師(尼)、釜山大学校経済通商大学国際学部客員教授(韓)、東京大学先端科学技術研究センター特任助教などを経て現職。
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